有と無の記憶〜歴史を変える冒険〜

□お尋ね者は計画を語る
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その頃、マリン達はお尋ね者を見つけていた。
マリンが階段を上った先に待ち受けていたヤミカラスは微笑を浮かべ、二人を見ていた。
「あなたがこの手配書のヤミカラスね?」カレンが言う。
「そうだよ。」ヤミカラスが言った。「お前ら、マジカルズ…だよなァ?そりゃまた大層な探検隊が俺に目を付けたもんだなァ。コーニア様もお喜びになる事だろうなァ。」
「…何を言っている」マリンは聞く。目の前のヤミカラスは、他のお尋ね者とは何だか雰囲気が違った。
カレンもそれを感じ取ったようで、横で緊張しているのが伝わって来た。
「だからさァ、コーニア様からお前ら探検隊に伝言を頼まれたんだよォ。
俺の名前はフライ。これで嘘はつけないぜェ。」
マリンも最初は知らなかった事だが、この世界では本名を伝えたら嘘をつくことはできない、との制約がある。有名になれば世界中にその名が知れ渡ることになるから、有名なものは嘘をつきづらい。
それでは迷惑なので、マリン達は本名を名乗らない事にしている。マリン、カレンという名前は偽名だ。マリンの本名を知っているのはカレンだけだ。
だからヤミカラス―フライも偽名を名乗っているかもしれなかったが、何かを聞き出せるなら聞いておいた方がいい、と言うことをマリンもカレンも知っていた。
「…話して。」カレンが言う。
「いいとも。近いうちに俺達は、トレジャータウンを襲うのさァ。
俺達は気まぐれだから、いつになるかは決まってねえがなァ。
さあ、どうするよォ。住人たちは助からねェよ。お前ら探検隊も何もできねェかも知れねえなァ。それだけさァ。じゃあな。」
「っ…待てっ!!」
言い終えたフライは、穴抜けの玉で逃げた。
「…逃げられた…」
ひさびさにお尋ね者に逃げられた。依頼のランクもSだったから、絶対に捕まえられると思っていたのに。
「…コーニアって誰だ…?あいつは、何者だ…?」
「マリン。」
カレンが横から声をかけてくる。
「帰ろう。シェルに知らせよう。なにか対策もうてるはずよ。」
「…う」
マリン達は探検隊バッチで脱出した。
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