有と無の記憶〜歴史を変える冒険〜

□旅の二人は伝説の探検隊に出会う
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ツバサについて歩いてくると、大きな扉の前に着いた。
「親方様〜。ツバサです。入ります。」
ギィ……と不気味な音を立てながら扉は開き、ツバサが入るよう促した。
ミラ達は遠慮気味に入る。
「親方様、弟子入りです。」
親方様、と呼ばれたのはプクリンだった。座ってリンゴを齧っている。
「へぇ、弟子入りかぁ。名前は?」
「ミラです!」と元気よく答えたが、クレイは「クレイです…」と元気が無かった。
「ミラに、クレイ。ギルドに来てくれてありがとね。僕はシェルだよ。ともだちともだちー♪」
「親方様、チーム名を…」横からツバサが言う。
「あ、そうだ。君達、探検隊のチーム名は決めてある?」
いきなり聞かれてミラは少し戸惑ったが、
「サクラソウ!!探検隊サクラソウです!!!」と高らかに宣言した。
「…なんでサクラソウ?」クレイが聞いてくる。
「ほっとけ。ノリだよ。」
「ふーん。まあいいけど。」
シェルは笑顔でそのやり取りを見ていた。
「サクラソウかぁ。いい名前だね!じゃあそれで登録するよ!
登録、登録、みんな登録……たぁぁぁぁぁーー!!」
思わず耳を塞ぐほどの大声。しかし何故かミラは平気だった。
「これで君達は探検隊だよ!」
シェルは小さなバッグをさしだした。
「これが探検バッグ。道具を入れられるよ。
それで、その中には道具を入れておいたから、好きなように使ってね!」
話は終わりのようだ。
ツバサが二人についてくるように言った。
行き先は、さっきのマリンとカレンの部屋の前の通路から入れる三人部屋だった。
「お前達の部屋はここだ。前までは他の弟子が使っていたんだが、あいつらは卒業したからな。少し広いが好きに使っていいぞ。」
「待って下さい。ここに住むんですか?」
「そうだ♪」
「いいじゃん。行く当てもないし。」
「そうだね。」
「それじゃ、今日は早く寝るんだぞ。」
そういうとツバサは去っていった。
ミラは布団―と言っても藁が敷いてあるだけだが―に座り、探検バッグを開けた。
「どう?ミラ。何が入ってる?」クレイが覗き込んでくる。
中に入っていたのは、地図と紺色のリボンだった。
ミラはリボンだけ出して、バッグを放り投げる。
クレイが拾って地図を取り出し、広げた。
ミラはリボンを、自分のしっぽに包帯のように巻きつけた。
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