有と無の記憶〜歴史を変える冒険〜

□伝説の探検隊は重大な情報を話す
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…遅い。
ツバサは焦っていた。
サクラソウとマジカルズがなかなか帰ってこないのだ。
サクラソウは新人の探検隊なので遅くなるのも無理はないのだが、それにしても遅すぎる。
何かあったのではないかと心配はしているが、様子を見に行く事は甘やかす事になるのではないだろうか。ツバサは葛藤する。

少し間が空いて、ガタッ、という音が上のほうから聞こえた。
帰ってきたのか、と梯子を上る。
「…ただいま」
入り口にいたのは、マリンとカレン―マジカルズだった。
        *
ミラはクレイを肩にかつぎ、ゆっくり道を歩いていたところだった。
「ミラ、本当にごめん…」クレイが耳元で申し訳なさそうに言う。
「さっきからもう十回くらい聞いてるよ、大丈夫だから気にしないで」
大丈夫とは言ってもやはり重い。ギルドに着くのは夕方になってしまうかな、とミラはぼんやり思う。
だがしかし、けが人のクレイを歩かせるわけにはいかない。
―突然、目の前が陰った。
見上げると頭上にピジョンが飛んでいた。
そのピジョンは下りてきて、ミラの前にストッ、と降り立った。
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