兄さん誕生日その2
□雨は降っているか?
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「…おい、雨降ってるか?」
「んー?」
料理人がキッチンから顔をだせば、甲板で寛いでいる狙撃手が首を傾げた。空は晴天。太陽の光がさんさんと降り注ぎ、雲一つない。
「なんだよー、サンジ。こんなに晴れてんのに」
「いや、ナミさんがさ。あいつらが出かけた後にロビンちゃんと出かけただろ?そん時に午後から雨降るって言ってたんだ」
「おぉ、そりゃ大変だ。ナミの天気予報当たるからな…あ」
狙撃手は慌ててキッチンに避難してきた。空が突然一気に陰りはじめ、ぽつぽつという音が響いたと思うと。
「わっ」
ざーざーというたたき付けるような大雨に変わり、外が白い雨で覆われる。料理人と狙撃手は顔を見合わせて瞬きしあった。
「さっすがナミさん」
「ほえー。あっ、ルフィ達かさ持ってねぇよな」
狙撃手が思い出したように言えば、料理人は顔をしかめた。
「じゃあ行ってくるか」
「あ、おれも行くっ」
「船番」
「ゾロがトレーニングルームにいるよ」
「ならいいが…一応知らせてやるか」
たたき付けるような雨の中、たくさんの蕾を下に蓄えた花が二つばっと咲き、賑やかな声をあげながら、仲間を迎えに向かっていった。
――――
雨は降っているか?