兄さん誕生日その2

□NO.1
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「なぁ、ゾロ。どうやってさ、ショドウやるんだっ」


「あぁ?」


満開の花びらが咲き誇り吹雪のように散る中。彼等は各々ワノ国の文化を引っ張り出して楽しんでいた。航海士と船医は茶の湯、料理人と狙撃手は剣士が弾くという琴を興味深そうに見つめ、考古学者は少し離れたところでワノ国の文献をあさっていた。


そして、船長が興じるのは書道。墨の擦り方やら筆の使い方は説明書がついているのだが、船長は読んでもさっぱり理解出来なかった様子だ。


「…仕方ねぇな。お前ら、ちょっと待ってろ」


「おう!なぁ、サンジ。ワノ国の食い物ってさ、ソバとかだよな」


「あとはスシだな」


狙撃手と料理人が美味しそうな話を始めたのを確認しながら、剣士は慣れた手つきで墨を擦り、筆に墨をつけてやった。


「あとはこの紙に好きなもん書け」


「なんでもいいのか?」


「普通は春うららとかそんなんだがな。初心者ならなんでもいい」


「よーし、じゃあまずは…」


船長はべしゃっと豪快な音を立てて筆を置いた。そしてそのまま筆をはしらせるが、墨があちこちに散る。先が思いやられる、剣士はため息をついた。


「…ありゃあ、変になっちまった」


「…見せてみろ」


剣士が船長が書いた字を見て眉をあげた。汚いが、豪快な字で「海賊王」と書いている。


「…最初から難しい字を」


「だってよ、一番大事なことだから、一番最初に書きたかったんだ。ダメか?」


聞き返されて、剣士は瞬きしたが、口元を緩める。


「…いや、お前らしい」


剣士が小さく笑えば、船長は同じように瞬きしてから、


「…だろっ」


しししっと、笑う。


「じゃあ次は、何を書く」


「仲間っ」


「次は」


「…肉っ」


「…じゃあ、書いてけ」


「はーいっ」


ぐしゃぐしゃの筆をほうり出して、新しい筆に持ち替えながら、仲間と大きく豪快な字を書いて、船長はまた満足げに笑う。


琴に向かう剣士が、ちらとそれを見て、また笑った。


「…ゾロ、ぷくく、ひでぇ音!」


「ぎゃはははは!へたくそー」


「るっせぇ!!」


―――
NO1。アンケより。ご協力ありがとうございました!
同じ絵のリクエストでしたが、片方夢で書いたので、もう片方普通のShortで書かせていただきました。
 

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