兄さん誕生日その2
□白と黒
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「あぁ?白と黒っていやぁゴマだろ、ゴマ。彩り華やかで香ばしくなるんだぜ。今日の夕飯は白ごまだれのしゃぶしゃぶな」
サンジは白ゴマと黒ゴマ。しゃぶしゃぶ楽しみだなぁ。
「オセロかしらね…あ、ロビン。角とったわ」
「私は白馬と黒馬ね。小説に出てきたの。…ナミ、私も角もらうわね」
ナミはオセロでロビンは白馬と、く、黒馬?こくば?オセロは多分ナミが負けるな。
「私は鍵盤ですよぉ。ピアノの鍵盤って白と黒でしょう?しろとくーろのハーモニィ〜♪」
ブルックはピアノ。これは予想通りだなぁ。
「おれはなぁ、折り紙だっ。なぁウソップ!カエル折ってくれよカエル!ぴょんぴょん飛ばしたいんだ」
チョッパーは折り紙。最近ハマッたらしいからさ。
「おれぁ設計図だ。白い紙に広がる黒いインク。スゥパーなもんを作るぜ」
フランキーは設計図。そーいうのもありっちゃありか。
「おれは、白星と黒星だ。白星しかありえねぇが」
ゾロは白星と黒星。おぉっ、さすがって感じだな。
「よぉし」
これで残るは、サニーのヘッドで釣りしてるあいつだけ。
「なんで白と黒が気になるんだ、ウソップ?」
隣で釣りしていいかって聞いて許可もらったから、おれは釣りを始めて、ルフィに聞いたんだ。聞いた質問は、「黒と白で何が思いつくか」ってこと。そしたら、逆に聞き返されちまってよ。
「あのさ、クレヨン使ってたら、結構白と黒があまってさ。何描こうかなって思って、みんなに聞いてるんだ」
「そりゃ難しいなぁ〜」
「いや、難しくはねぇぞー」
ルフィにツッコんだら、嬉しそうにしししっと笑った。
「じゃあ、ルフィは黒と白なら何浮かぶ?」
「よるとひるっ」
「ほえっ!?」
予想外のロマンティックな答えが出てきて、おれは瞬きしちまったんだ。でも、
「あ、でも、あさとひるとおやつとおやつ。それとよるかなぁ」
「食の話かぁ…」
ちょっとびっくりしちまったけど、おれの頭の中にびびびっと発想が浮かんだ。まだメシのことを考えてるルフィを置いといて、一匹だけうまそうな魚を釣り上げてから、おれはスケッチブックを手にとった。
昼と夜、ロマンティックな光景に浮かぶサニーだけど、ヘッドでは釣りして釣れないままのつまらなそうな男が二人。
どうだ、アーティスティックだろ?
タイトルは、そうだな。
「白黒つかない釣り勝負」ってことで。
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白と黒。
赤と白なら某カプセル薬なんだけどなぁ←