兄さん誕生日その2

□白と黒
1ページ/1ページ



「あぁ?白と黒っていやぁゴマだろ、ゴマ。彩り華やかで香ばしくなるんだぜ。今日の夕飯は白ごまだれのしゃぶしゃぶな」


サンジは白ゴマと黒ゴマ。しゃぶしゃぶ楽しみだなぁ。


「オセロかしらね…あ、ロビン。角とったわ」


「私は白馬と黒馬ね。小説に出てきたの。…ナミ、私も角もらうわね」


ナミはオセロでロビンは白馬と、く、黒馬?こくば?オセロは多分ナミが負けるな。


「私は鍵盤ですよぉ。ピアノの鍵盤って白と黒でしょう?しろとくーろのハーモニィ〜♪」


ブルックはピアノ。これは予想通りだなぁ。


「おれはなぁ、折り紙だっ。なぁウソップ!カエル折ってくれよカエル!ぴょんぴょん飛ばしたいんだ」


チョッパーは折り紙。最近ハマッたらしいからさ。


「おれぁ設計図だ。白い紙に広がる黒いインク。スゥパーなもんを作るぜ」


フランキーは設計図。そーいうのもありっちゃありか。


「おれは、白星と黒星だ。白星しかありえねぇが」


ゾロは白星と黒星。おぉっ、さすがって感じだな。


「よぉし」


これで残るは、サニーのヘッドで釣りしてるあいつだけ。


「なんで白と黒が気になるんだ、ウソップ?」


隣で釣りしていいかって聞いて許可もらったから、おれは釣りを始めて、ルフィに聞いたんだ。聞いた質問は、「黒と白で何が思いつくか」ってこと。そしたら、逆に聞き返されちまってよ。


「あのさ、クレヨン使ってたら、結構白と黒があまってさ。何描こうかなって思って、みんなに聞いてるんだ」


「そりゃ難しいなぁ〜」


「いや、難しくはねぇぞー」


ルフィにツッコんだら、嬉しそうにしししっと笑った。


「じゃあ、ルフィは黒と白なら何浮かぶ?」


「よるとひるっ」


「ほえっ!?」


予想外のロマンティックな答えが出てきて、おれは瞬きしちまったんだ。でも、


「あ、でも、あさとひるとおやつとおやつ。それとよるかなぁ」


「食の話かぁ…」


ちょっとびっくりしちまったけど、おれの頭の中にびびびっと発想が浮かんだ。まだメシのことを考えてるルフィを置いといて、一匹だけうまそうな魚を釣り上げてから、おれはスケッチブックを手にとった。


昼と夜、ロマンティックな光景に浮かぶサニーだけど、ヘッドでは釣りして釣れないままのつまらなそうな男が二人。


どうだ、アーティスティックだろ?


タイトルは、そうだな。
「白黒つかない釣り勝負」ってことで。


――――
白と黒。
赤と白なら某カプセル薬なんだけどなぁ←
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ