兄さん誕生日その1
□プラネタリウム
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だいぶ前に、フランキーがプラネタリウムを作ったことがある。ありゃ、確か七夕の日。天気が悪くて天の川を見れなくて残念がってたあいつらのためだったかな。なかなかいい出来だったのは覚えてるぜ。
んで、あいつはそれから少しプラネタリウムに凝っちまったらしくて。その一ヶ月後、新しいプラネタリウムを今度は男部屋横の大砲裏に作ったって連絡があった。
そこは狭くてフランキーと人二人がやっと入れるくらいの大きさだ。だから順番に入るってことになって、おれはウソップと二組目に入ることになったわけだ。
うらみがましげなルフィとチョッパーにお先に、といい、ナミすわんやロビンちゅんの楽しそうな笑顔に見とれちまう。
「楽しみだな、サンジっ」
「おう」
ようやく床に適当に座り込んで、扉を締めれば辺りはすっかり真っ暗だ。なぁんにも見えやしねぇ。
「いくぞ」
夜行塗料が塗られた星座図を渡されたあと、空を見ろ、と示される。
「おぉ…!」
「すげぇ!」
思わず柄でもなく声をあげちまった。
キラキラ光る星の数々。赤に青に黄色。色使いまで面白ぇし、綺麗なもんだ。元々星を見るのは嫌いじゃねぇから、なかなか楽しい。
「サンジ、すげぇぞ!サニー型星座とメリー型星座がある!」
「おっ、よく気づいたな」
「どこだ?」
「あれあれ!」
ウソップが星をなぞるように指差す。確かに細かく立派なサニー型ができてるし、隣にゃメリーの形ができてる。
「実在しない星を作ってみるのも一興だろ」
「…まぁな。なかなか興味深い」
「他にもいろいろ星があるから探してみろ」
「おう」
扉から早くかわれとどんどん聞こえてきたが、もうちょっとだけウソップとフランキーと星探しを堪能することにした。
―――――
プラネタリウム。
気分はBUMP。