兄さん誕生日その1

□時の流れ
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「もう、二年なんだなっ」


離れていく島に手を振りながら、麦わら帽子を愛しそうにかぶって船長が笑う。背からハンコックが熱い眼差しを向けていたが、気づいているのかいないのか。満足するまで手を振ったあと、ニィっと笑い、おもむろにビブルカードを取り出した。


「早く、会いてぇなっ」


シャボンディ諸島で離れ離れにされた、仲間達。でも、今日、全員と再会できる。そんな絶対的な自信が船長にはあった。


「ゾロはもっと強くなってて」


最初に引き入れた大剣豪を目指す仲間。きっとさらに強くなっているに違いない。手合わせを是非願いたいものだ。


「ナミはもっと怖くなってんのかな」


少しだけ怯えてから、笑う。再会突如、殴られてしまうかもしれない。でも、きっと、笑顔で再会してくれるに違いない。


「ウソップはウソを実現できるかもしれねぇなぁ」


いつも背中で怯えていた狙撃手も、ウソをホントにできるくらいになっているかもしれない。


「サンジの料理も食いてぇな。もーっと美味くなってんだろうし」


思わず舌なめずりする。二年前美味だった料理人の料理の腕はさらにあがっているに違いない。


「チョッパーはもっとおもしろくなってたらどうしよう!」


目をキラキラ輝かせて、想像する。二年後の船医の変型は増えておもしろくなっているに違いない。


「ロビンはもっと頭よくなってんだ」


知的な考古学者はさらに話題が増えているに違いない。たくさん話を聞くのが楽しみだ。


「フランキーはきっとビーム出せるぞビーム」


また、目をキラキラ輝かせた。サイボーグの船大工は二年前に出来なかったビームを、今は出来るようになったに違いない。是非、一番に見せてもらいたい。


「そんで歌もっとすごくなったブルックと歌うぞー!」


音楽家が歌うであろう昔の曲も新しい曲も、きっと一味全員を楽しませてくれるに違いない。


船長はしししと笑って、飛び跳ねて叫んだ。


「みぃんなー!!!今行くぞォ!!」


時が流れて二年。再会の時は、すぐ。


―――
時の流れ。
 

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