兄さん誕生日その1

□四面楚歌
1ページ/1ページ



おれは、四面楚歌な状況になんざ一人で立ち会ったことがねぇ。昔一人だった頃から背の傷は剣士の恥だと教わってきたからな。だいたい三面で終わるか一対一かのどちらかだ。


だが、ここに入ってからは少し変わった。多対一になるときはめったにねぇ。暴れたがりな奴らが多いからな、この船は。おれもそうだ。


だが、それだけじゃねぇ。あいつらになら、おれは背を任せられる。ぴーぴーうるせぇコックだろうが、震えて背に隠れたがるウソップだろうが、力が弱いナミだろうが、肉肉ばっかの船長だろうが、あいつらは、強い。おれが認めてるからな。


たとえ、これから仲間に入る奴でも、安心して任せていけるはずだ。なんせ背を任せたあいつが引き入れた奴だからな。そうじゃなきゃあいつを斬ってる。


だから、いちいち怯えるなよ、チョッパー。お前はいざとなれば、あいつらやおれの背を任せられるんだ。ウソップだって毎回怯えてるが、戦闘の時はちゃんとやる。お前も、そうしろ。…わかったか?


――わかった!おれ、頑張るぞっ。


…あぁ、それでいい。
じゃあ、新しく仲間に入ったんだから、一杯やろうぜ。


――飲み過ぎたら止めるぞ。


…その調子なら、心配なさそうだ。


―――
四面楚歌。マリモからのアドバイス。
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ