兄さん誕生日2015 3
□木漏れ日
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きぃ、きぃ。木漏れ日の下。ブランコの音が響く。サニー号に唯一あるブランコに、船医が楽しそうにまたがっていた。押しているのは狙撃手だ。彼もまた、楽しそうにブランコを押している。
「気に入ってんなぁ、それ」
「お、サンジ!楽しいぞ!!」
船医は通りがかった料理人ににっこり笑顔を向けた。料理人はふっと笑みを浮かべ、彼らに近づく。
「ブランコ初めてなんだ、おれ!だから、こぉんなに楽しいなんて知らなかったぞ!」
「そりゃそうよ。だが、このウソップ様が直々に押してやってんだから、倍たのしいに決まってる!」
「おおー!!ウソップすげぇ!!」
船医は押してもらいながら、嬉しそうに顔を輝かせていた。料理人は満足げな彼らを見てふうと息をついた。
「おれも乗ったことねぇな。またやらせてくれ」
「え!サンジもねぇのか!」
「まぁな。おれも雪国だったから」
船医はぱぁっと顔を輝かせて、ひょいっとブランコを下りた。そして、料理人の背に回って、ぐいぐいと彼を押す。
「お、おいチョッパー?」
押した彼をブランコに座らせ、その上に船医も腰かける。そして、にっこりと笑った。
「ブランコって二人でも乗れるってウソップに教えてもらったんだ!試そうよサンジ!」
「おうよ、遠慮すんなサンジ!押しは任せろ!!」
彼らの押しに、料理人は呆れながら仕方ねぇな、と頷いた。彼らは顔を輝かせ、見合わせて、頷き合う。
「よぉし、いくぞ!!」
「いくぞっ!!」
木漏れ日の下、三つの影が仲良く揺れていた。
――
たしかアンリミ設定。