兄さん誕生日2015 3

□呪文は不要
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「ビビ様。また左腕を突き出してますぞ」


「え?」


イガラムが静かに指摘して、ビビははっと腕を下げた。そして腕をぎゅうっと握る。実は彼女、これから重要な会議に出なければならない身。だから震えながら思わず手を握っていた。


「病気の国王の代わりとあれば、緊張するでしょう。無理もありません。わたくしイガラム。僭越ながら、アラバスタに代々伝わる緊張を解く呪文でも」


「いいえ、イガラム。大丈夫よ」


ビビはにっこり笑った。頭の中に彼らの声が浮かんだ。何があっても左腕のこれが、仲間の印だ。また、思わず腕を突き出す。


「これさえあれば、何も怖くないわ」


「ビビ様……!」


どんな強いおまじないだって呪文だって敵わない最高の仲間と言葉があるから。そう伝えるようにビビはまた笑う。


そしてゆっくりと、会議の場に向かって行った。


――
ビビちゃん多くね←

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