兄さん誕生日2015

□いじってはなりません
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「おかしい」


「うん、ぜったいおかしいよルフィ」


ここは夜のキッチン。狙撃手と船医はひそひそと相談しながら、船長に言い聞かせていた。彼らの目の前、正確には床の上には皿の上に置かれた骨付き肉がどんと乗っかっていた。空腹でキッチンに忍び込んだ彼らにとってそれはごちそうには違いないのだが。


「肉だぞ!!にくっ!!」


「あんなわかりやすいところにおかねぇって」


「うん。サンジは頭いいもんな」


置いてある場所が、あからさますぎる。まるで触ってくれと言わんばかりだ。


「いや!!いく!!肉!!」


だが、船長は気に留めず肉を手に取った。その瞬間。


「かか、った、な」


「ぎぃやああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」


狙撃手と船医は悲鳴をあげた。ライターのぼんやりとした火に照らされた料理人の顔が、まるでお化けのようだった。そして、船長は巨大ねずみとりにかかってギャーギャー呻いている。


「さて、覚悟はいいな」


「ぎゃあああああああああああやべてぇぇ!!!!」


腕を何度か鳴らした後、大きな悲鳴がキッチンから轟いた。数分後には、椅子にぶらんとたんこぶ付きでぶらさがる三名の姿があったという。


――
分かっている罠をいじってはなりません。

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