兄さん誕生日2015
□旧市街
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ここは、旧市街。人々は賑やかな方に賑やかな方に向かって去って行った。だが、その街を守ろうと、まだまだそこには人が残っている。趣のある建物がずらっと並ぶ中、ゆったりと麦わらの一味はショッピングをしていた。
「なー。いっつもフランキーに船番任せるの悪くねぇか」
「明日は代わってやろう」
「うん、そうしよう!」
残りの8人はいまだに散らずゆったりと散策していた。古い時計台に苔むした赤煉瓦の建物。風情あるものに、考古学者は思わずなぞってしまう。
「いい雰囲気ね」
「うん」
「え?」
狙撃手は瞬きした。考古学者の言葉に同意したのは、意外にも船長だったからだ。
「どーした、ウソップ」
「え、だってよう。この町、お前が好きな騒がしい雰囲気とはちがうぞ?」
船長は冒険が大好きだ。だから賑やかなところ、騒がしいところに惹かれてしまうくせがある。彼自身も騒がしさを呼び込む癖があるといえばあるのだが。
「いんや、好きだぞ。この町」
だが、船長は首を振って辺りを見渡した。高い赤煉瓦の家を見渡して、
「ちがったぼーけんできそうだ!!」
しししと笑う。狙撃手はぽかんとした。それを聞いた考古学者がくすくす笑う。
「こういうところには隠し部屋があるのが普通
だけど」
「隠し部屋!!?」
船長の笑顔がきらきら輝いた。興奮しないの、航海士がいさめたが、そんな言葉は、彼の頭に入らない。
「さがすぞ!!!」
旧市街であろうと、彼の冒険心は変わらない。いつだって、冒険のにおいをかぎつけて、楽しんでいく。
それが、彼らのスタイルだ。
――
もっと冒険シーンみたいな。