兄さん誕生日2015

□小さな欠片
1ページ/1ページ



すぐにでも、会いに行きたい。自分の弱さゆえ、船長はそう考えているのだが、散り散りにされ、どこか別の島々に飛ばされたであろう仲間たちに。きっと、そう願う。そう信じているのだが、無事でなんとかやっているだろう、仲間たちに。


だが、今、最愛の兄の命のかけらが尽き果てようとしている。小さなビブルカードのかけらが、導こうと小さく揺れていく。


「ごめん、みんな」


ゆっくりと顔をあげて船長は決断した。


「おれ、少し寄り道してくよ」


この寄り道が、とてつもなく長いものになることを、今の船長はまだ知らない。


――
あのときは一コマに一味が出るだけでテンション上がった記憶。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ