兄さん誕生日2015
□小さな欠片
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すぐにでも、会いに行きたい。自分の弱さゆえ、船長はそう考えているのだが、散り散りにされ、どこか別の島々に飛ばされたであろう仲間たちに。きっと、そう願う。そう信じているのだが、無事でなんとかやっているだろう、仲間たちに。
だが、今、最愛の兄の命のかけらが尽き果てようとしている。小さなビブルカードのかけらが、導こうと小さく揺れていく。
「ごめん、みんな」
ゆっくりと顔をあげて船長は決断した。
「おれ、少し寄り道してくよ」
この寄り道が、とてつもなく長いものになることを、今の船長はまだ知らない。
――
あのときは一コマに一味が出るだけでテンション上がった記憶。