兄さん誕生日2015

□夜陰に潜む
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「しー」


「しーだぞ」


「それすらもうるせぇよ」


狙撃手、船長、料理人の三人は、夜の物陰にひっそりと隠れていた。外では、うろうろと海兵がたむろして、見張っている。


「船だいじょうぶかな」


「先に逃げてるかもな。まぁ、多少なら飛んで行けるし」


「おう、みんな飛んで行けるな!」


「ルフィの方のとぶはいやだ……」


狙撃手は船長のバズーカとびを思い出して首を振った。失敬だな、そう呻いた船長の口をむぐっと料理人がおさえる。


「ふぁんひ」


「くる。一人だ」


かつ、かつと足音が響いている。狙撃手はごくりと息を呑んだ。街頭の側、影が近づいてくる。


「じゃあそろそろ」


「ぶっ飛ばすか」


「へ?」


船長と料理人は狙撃手に援護を目で送った。そして、近づいてきたところをぶっ飛ばす。気づいた海兵も、油断をしノックアウト。反撃は狙撃手によって遮られた。


「隠れてるなんて」


「おれららしくねぇ」


「お、おれはいつも通りだけどなっ」


船長はしししと笑って料理人の言葉に同意し、夜陰の狙撃手はブイサインを彼らと交し合う。


「よし!!!」


「じゃあ」


「とぶぞ!!!」


「ルフィ以外ので!!」


「失敬だなおまえ!ゴムゴムの」


「やめろ!!」


夜陰ではなく夜空へ。三つの影は重なりながら、月夜に輝いた。


――
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