兄さん誕生日2015

□海底神殿
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「ええ、サンジ君一人で行くの?」


「ええええ!!!?」


「ずりぃぞ!!」


海底神殿がこの辺りにあるらしい。そんな噂を麦わらの一味が聞けば行くと喚くのが大量にいる。だが、今回は海の底。行くべき人間は限られている。


「だってよ、シャークでもぐれても、何にもできねぇだろ。お前らは」


例えば、能力者が乗り込んだら。目に見えた結果が待つだけだ。料理人はそう付け足した。だが、剣士が不満そうに口を出した。


「……このアホだけで行かせていいのか」


「迷子になって海中探しまくるのはごめんだ」


「おれは」


「サブマージの操縦。ナミさんは危険な目に合うからだめだしな」


「お、お、お、お、お」


「いいよ。安全保障されてから来い、お前は」


料理人はきっぱりと言い張った。船長はじぃっとその様子を見やる。考古学者が心配そうに問うた。


「どうする?ルフィ」


「任せちゃいましょ。サンジ君なら大丈夫でしょ」


航海士はこくりとうなずいた。だが、いつもなら即座にOKを出す船長が今日は渋っていた。


「うーん」


「なんだよ」


「お前さー、なんか、隠してねぇか」


船長が、料理人に問うた。剣士は料理人をじぃっと観察する。ぴくり。一瞬眉が動いた。だが、


「いったこともねぇのに、わかるわけ」


「お前、見聞色得意だからな」


「……だから?」


「なんか隠してんだったら、一人じゃいかせられねぇ」


船長が静かに言った。料理人は小さなため息をもらす。


「まったく、かなわねぇな」


「やっぱりなんか隠してんのか!」


「わかんねぇよ。でもなんか、な」


料理人は言いづらそうに言った。船長はむすっとする。


「ちゃんといえ!」


「ぼんやりしかわかんねぇのにか」


「みんなで考えりゃわかるかもしれねぇだろ!」


船長は言い張った。一味は顔つきを変えて二人を見守っている。料理人はあきらめたように言った。


「じゃあ、お前、サブマージまで来い」


「……わかった!ウソップも一緒な!」


「い、い、いいいぞ。サンジ!遠慮すんな!おれがいたら百人力だ!なぁゾロ」


「……おれぁてめぇなんかに従えねぇから勝手に行く」


「こりゃサブマージ内を整理しねぇとな」


「私たちは」


「サポートに」


「回るわ」


「うんっ!!」


一味の言葉に、料理人は静かにうなずいた。こうして、彼らは海底の旅へと向かった。


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