兄さん誕生日2015
□海底神殿
1ページ/1ページ
「ええ、サンジ君一人で行くの?」
「ええええ!!!?」
「ずりぃぞ!!」
海底神殿がこの辺りにあるらしい。そんな噂を麦わらの一味が聞けば行くと喚くのが大量にいる。だが、今回は海の底。行くべき人間は限られている。
「だってよ、シャークでもぐれても、何にもできねぇだろ。お前らは」
例えば、能力者が乗り込んだら。目に見えた結果が待つだけだ。料理人はそう付け足した。だが、剣士が不満そうに口を出した。
「……このアホだけで行かせていいのか」
「迷子になって海中探しまくるのはごめんだ」
「おれは」
「サブマージの操縦。ナミさんは危険な目に合うからだめだしな」
「お、お、お、お、お」
「いいよ。安全保障されてから来い、お前は」
料理人はきっぱりと言い張った。船長はじぃっとその様子を見やる。考古学者が心配そうに問うた。
「どうする?ルフィ」
「任せちゃいましょ。サンジ君なら大丈夫でしょ」
航海士はこくりとうなずいた。だが、いつもなら即座にOKを出す船長が今日は渋っていた。
「うーん」
「なんだよ」
「お前さー、なんか、隠してねぇか」
船長が、料理人に問うた。剣士は料理人をじぃっと観察する。ぴくり。一瞬眉が動いた。だが、
「いったこともねぇのに、わかるわけ」
「お前、見聞色得意だからな」
「……だから?」
「なんか隠してんだったら、一人じゃいかせられねぇ」
船長が静かに言った。料理人は小さなため息をもらす。
「まったく、かなわねぇな」
「やっぱりなんか隠してんのか!」
「わかんねぇよ。でもなんか、な」
料理人は言いづらそうに言った。船長はむすっとする。
「ちゃんといえ!」
「ぼんやりしかわかんねぇのにか」
「みんなで考えりゃわかるかもしれねぇだろ!」
船長は言い張った。一味は顔つきを変えて二人を見守っている。料理人はあきらめたように言った。
「じゃあ、お前、サブマージまで来い」
「……わかった!ウソップも一緒な!」
「い、い、いいいぞ。サンジ!遠慮すんな!おれがいたら百人力だ!なぁゾロ」
「……おれぁてめぇなんかに従えねぇから勝手に行く」
「こりゃサブマージ内を整理しねぇとな」
「私たちは」
「サポートに」
「回るわ」
「うんっ!!」
一味の言葉に、料理人は静かにうなずいた。こうして、彼らは海底の旅へと向かった。
――
続きません←