兄さん誕生日2015
□根底にあるのは
1ページ/1ページ
あいつとおれは似ている。昔、誰かに言われた言葉。ウソップだったかマリモだったか。ナミすわんだったら、覚えてるはずなんだけどなぁ!!
何が似ているかって、そりゃ生い立ちとか。あいつは恩人の片腕を失って、おれはジジイの片足を失った。とか。そんくらいか?そんくらい、だよなぁ。
でも、もっと似ているところが一つあるらしいんだ。そこは、おれだけじゃなくて、ナミさんもウソップもマリモも、持ってるもんだと思う。
「おれの仲間に、何すんだ!!!」
今日、あいつはおれに怪我をさせた海賊をぶっ飛ばした。って言ってもおれは麗しいナミさんが怪我しないように守って、ちょっと肩きっちまっただけなんだけどな。
つまりは、そういうこと。仲間を傷つけるのが、一番いやだってことだ。
それがおれたちの根本なんだと思う。
だからかな、おれ達が、あいつについて行っちまうのは。
「サンジ、じーっとおれ見てどうしたんだ?」
「……なんでもね。でも」
ぐるっと巻いた包帯を触りながら、
「ありがとな」
そう静かに言えば。あいつはにぃっと笑って答えた。
「当たり前だっ」
ああ、やっぱりな。そう答えるって思った。
――
兄さん独白。東の海かなぁ。