兄さん誕生日2015

□天空にかかる橋
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「天空にかかる橋」


「空島ってさ、虹の橋なかったよなウソップ!」


空島。ルフィが唐突にそんな昔の話題だすからおれはびっくりしちまったんだ。おれたちが言った空島にはそんな橋はなかったと思う。確か雲ばっかりで、もふもふ雲とか、奥に突き抜ける雲……あれはやめようおれさまトラウマだから。ええっと、楽しいこと楽しいこと。サンジが焼いた空サメに空島弁当、貝に、コナッシュに玉のし……いやいやだから。


「た、たぶんなかったと、お、思うぞ」

「おもしれぇしゃべり方だなー」

まったく相変わらず失礼な奴だ。でも、おれは気になったことを聞きたくなったんだ。

「なんでそんなこと聞くんだ?」

「でてるから」

「なにが」

「虹っ!!!」

ルフィはにぃっと笑って指さした。釣りをしてる裏甲板の奥の奥。そこには大きな虹がかかってたんだ。しかも、この船、虹のふもとに向かってる。虹のふもとには宝があるって誰か言ってたような。

「ルフィ!!いこう!!虹」

気づいたらそう叫んでたんだ。そしたらルフィがわかってるみたいにうなずいて、おれと肩を組んできたんだ。

「もちろんだっ!!虹舵いっぱい!!」

天空にかかる虹の橋。そのふもとには新しい冒険が待ってんだ。

――
確か、なかった、はず。

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