兄さん誕生日2015

□魅力ある者
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「どうするかなぁ、フランキー」


「あー」


ある日の午後。狙撃手と船大工は悩んでいた。彼らが悩んでいるのはサニー号の上ではなく、停泊している町のショーウインドウの前だった。そのショーウインドウには、巨大な大砲が一本ドンと構えて置いてある。その豪快さは彼らにとってはとても魅力的なものであった。


「買うか?」


「うーん、値段が」


狙撃手は鼻を困ったように揺らした。魅力的なものほど値段は高い。他の大砲の数倍はする値段だ。


「なんだ、おめぇそこで悩んでたのか」


「え?フランキーはちがうのか?」


てっきり一味の財政的に悩んでたと思ったのに。狙撃手は瞬きする。すると、船大工はごそごそと上着のポケットをあさった。


「ほら、金はたんまりある」


「うおぉ、フランキーマメだなぁ」


「ちげぇよ。ナミからの船修繕費だ」


「ああ、サンジの食費みたいに別会計か」


「そんなもんだ」


船大工は財布を戻した。狙撃手はほえーとうめいたが、


「じゃあ何で悩んでたんだ」


「品はいいんだが、ちょっとキズ」


「え?」


ほら、と船大工が指差した先には黒いボディ。小さくキズが入っていた。あんなの、普通は気づかない。


「あれくらいだめなのか?」


「あぁ。衝撃で壊れやすくなるからな。あぁ、でも、他はいいから。狙撃手であるお前が決めろ」


「えぇ!?そこでふるのか!?」


狙撃手は悩んだ。確かにかっこいいデザインだが、長い間愛せるものがどうせならいい。だったら、どうすれば。

「……あ」

だが、ぽんと思いついたように手を叩いた。

「じゃあさ、これ参考にして作ろう、フランキー!!」


「大砲をか?」


「おう!!フランキーならできるって!!」


狙撃手の言葉には船大工への信頼と確信があった。船大工はにやりと笑って狙撃手の頭をわしわし撫でる。

「ああ、できるさ。信頼できる助手がいりゃな」


「へへ」


「じゃあ材料買うぞ!!」


「おうっ!!」


彼らは魅力あるものを自分で作り出す力をもっている。

――
この二人も好きだー!!

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