2015年兄さん誕1

□尽きぬ欲望
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「相変わらず」


「すげぇ食うな」


狙撃手と料理人は呆れたように言った。魚人島では料理人が作った食事を口にしていなかったから、荒れ果てた海に出た今が、初めての食事である。がつがつ、むしゃむしゃ、そんな擬音どころの問題ではない。むさぼるように、皿まで舐めるように、平らげる。


「おかわりっ」


「まだ食うかお前」


「まわりみんな終えてるぞ」


他の一味は食事をとうに終わり、めいめいの時間を過ごすために散っていた。なので、キッチンに残っているのは船長と久々の風呂に入ろうとしている狙撃手と船長に料理を出し続ける料理人だけなのだった。


「だって、うめぇ!!二年前よりうめぇ!!!」


「まぁ、そりゃ修行したけどよ」


「食欲お前も二年前よりましてねぇか」


「そりゃ成長期だからなっ」


料理人がおかわりがてら焼いてくれたオムレツをぱくりと平らげる。料理人は狙撃手と顔を見合わせてため息をついた。こんな毎日では、食料がすぐにでも尽きてしまいそうだ。


「あのなぁ、ルフィ」


「それにおれ、すんげぇ楽しみにしてたんだぞっ」


オムレツのケチャップをぺろりとなめとって、船長はしししと笑った。料理人はぱちくりと瞬きする。


「サンジの料理が、腹いっぱい食えるの!!」


「!!」


「それになっ」


料理人が驚いた顔をしているにも構わず、船長は狙撃手の方を向いた。


「ウソップがいっぱい話していっぱい遊ぶのも楽しみだったし!!」


「ええ!!?」


「ゾロが新しい技見せてくれるのも楽しみだし、ナミがまたおもしろ手品見せてくれるのも楽しみだし!!」


彼らの様子構わず、船長は指おりする。


「ロビンが新しい本読んでくれるのも楽しみだし、チョッパーがもぉっとおもしろくなってそうだし!!」


そして、指折りを繰り返すたびに、


「フランキーの新しい発明もみてぇし!!ブルックの音楽もいっぱい聞きてぇ!!!!」


その顔はどんどん輝いていく。


「だから、おれ今、すんげぇやりたいことがいっぱいなんだっ!!」


船長は胸を張って笑った。狙撃手と料理人は船長の言葉にぽかんとしていたが、


「バーカ」


料理人はふっと笑った。狙撃手が料理人の方を見る。


「おれだって、楽しみだったよ」


「ししし!」


船長は料理人の意図が分かって満足げになった。狙撃手も続く。


「な、何言ってんだ!おれだって、もぉっと楽しみだったぞ!!!!お前らにいろんな話ができるのっ!!」


「おお!!じゃあ聞かせてくれよウソップ!!サンジのメシ食いながら聞くっ!!」


「まぁ、今日ぐらいはサービスしてやるか」


「よぉし、いっぱい聞いていけっ!!」


再会は、果たしたが。彼らの欲は尽きぬまま。楽しい方へ楽しい方へ、流れていくのだった。


――
再会あとの会話とか楽しそう。

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