2015年兄さん誕1

□贈り物
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「ほらよ」


「クッキー!!!!」


「どうしたのサンジ君、これ」


「たまには、ラッピングとかしてみたくて」


麦わらの一味は、料理人からの突然の贈り物に驚いていた。きれいなビニールの袋には、赤緑オレンジ黄ピンク水色紫黒のリボンがかかっている。そして、そのビニールの中ではこんがり焼けたクッキーがさんかくしかくまるにハートとなっておしくらまんじゅうをしていた。


「食べていいのか!?」


「ああ。好きにしろ」


料理人はそういっておもむろにキッチンを後にした。きっとお手洗いか何かだろう。そう思って先ほどの美味しいクッキーを頬張ったり、ラッピングを褒め合ったりしていたが、料理人がなかなか戻ってこない。一味は思わず首をかしげてしまう。


「サンジ遅くねぇか?」


「でも、ここ海の上よ。水音もしてないし、大丈夫でしょ」


「だよなー」


頷きながらも、やっぱり気になってキッチンの外を覗いてしまう。すると、くすくすと笑い声がした。瞬きしながらそちらを見やれば、考古学者が楽しそうに笑っていた。


「ロビン?」


「なんか、見えたのか?」


考古学者は全身どこでも咲かすことができる。だから、目を船の壁に咲かせて辺りを見ることなんてお茶のこさいさいなのだ。


「裏甲板にいってみて」


「行く!!!」


船長と狙撃手は先陣を切って駆けだした。なんだなんだ、面白そうだと他の一味もついていく。


「サァンジっ」


「げ」


料理人は彼らを目にした瞬間顔をしかめた。手に持っていたクッキーの袋をさっと隠す。船長は、瞬きをして、目をキラキラさせる。


「すんげぇぇ!!!!」


彼らの目に留まったのは、巨大なわしだった。首に巨大なカバンをぶら下げていて、早く入れてと言わんばかりに揺らしている。


「サンジなんだこれ!!!」


「あー……郵便屋だよただの」


「ほんと?じゃあ誰に送るの、そのクッキー」


「え、あ、と。それは……」


「ビビ、さん?」


「へ?」


音楽家からぽろりと零れた言葉に瞬きする。どうやら、クッキーの袋の宛名が見えたようだ。料理人は焦ったように音楽家の口をふさいだ。


「おい、こらブルック!!!」


だが、遅かった。あはは、と取り繕った笑いを向けたころには、考古学者と船大工を除く一味全員がふくれっ面をして立っていた。


「どういうことだ」


「サンジ君!!ぬけがけ!!?」


「そういや、ビビの誕生日もうすぐだったよな……!!!」


「ずる!!!」


「いぞ!!!!」


5人はぎゃーぎゃーと料理人に詰め寄りながら自分も贈り物をするだの、ずるいだのなんだの料理人を囲ってわめき続ける。


「誰の話だ?」


「彼らの、仲間の王女様の話よ」


「おうじょ!!?」


一人を除いて、わからないなりに残りの三人もその様子を眺めていた。


「サンジ!!おれもおくるー!!!!クッキーおくるんだ!!!!!」


「わかったからへばりつくなぁぁ!!!!」


彼らはこうして、王女にクッキーを送ることにしたという。


――
ビビちゃん誕生日話二つ目。まぁいいや←

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