2015年兄さん誕1

□ひらひらゆれる
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「ちょっと動きづらいわよこれ」


「いんやまぁそんなことをおっしゃらずに!!とてもよくお似合いですし、新世界の最新ブランドものですよ!!」


「似合うわよ、ナミ」


「ほんとっ!?じゃあ買うわ。着て帰るから約束通り2割引いてね!」


「は、はひー!!」


航海士は、みかん色のフリル付のスカートをひらひら揺らしながらご機嫌だった。何も買わなかった考古学者はふわふわ青いセーターにスカートをはいてにこにこ笑いながら続いて店から降りてくる。この美女二人組の組み合わせ。周りの男どもは鼻の下をだらんと伸ばし、お付きの女性に容赦な耳を引っ張られていた。


「次はどこに行く?」


「そうねぇ。カフェでまったりとかど……」


「なぁみすわん!!ろびんちゅわん!!」


すると響いてきた甲高い声。目をハートにした料理人がひいこらわめく狙撃手を連れて走ってきている。航海士と考古学者は瞬きした。


「サンジ君、ウソップ。どうしたの」


「うぉっ!!ナミさんそのスカートせくすぃー!!!!」


「バカ!!それどころじゃねぇだろサンジ!!海軍がきてんだよ!!」


「ええ!!?」


航海士は驚いた。彼らの背後には、そんな影は見えない。


「サンジが見聞で気づいたんだ。あとはお前らだけだから早くいくぞ!!」


「ちょ、ちょっと待ってよ!!」


狙撃手が猛ダッシュし、考古学者は頷いて狙撃手についていった。航海士も続き、料理人が一番後ろに回ったが


「もー!動きづらいのよこれ」


「ナミさんおんぶし」


「それより周囲に気を配ってなさい」


「ふぁい」


すばやく殴られた料理人は痛がりながら辺りに気を配っていたが、ぴくりとやがて眉を動かす。


「ウソップ!!そっちはダメだ!回られてる!」


「えええ!!だってこっちが船への最短だぞ!!」


「しょーがねぇな!!!」


料理人は前に飛び出した。待ち構えていた敵をばったばったとなぎ倒していく。続くように考古学者が援護に回った。ひぇーと狙撃手は驚いて呻いたが、ちらっと見えた影にはっとなる。


「ナミ!!あぶねぇ!!」


航海士の目の前に飛び出した刀を持った男。料理人がはっと気づき、駆けたが。


「え」


「もらった、あ?」


男の刀は、航海士のスカートに引っかかっていた。びりびり、とフリル付のスカートが破れて、ひらひらとただのスカートに代わっていく。瞬きしている間に料理人が男を蹴飛ばした。


「ごめんナミさん!だいじょ」


「高かったのに、これ」


航海士は静かに天候棒を出した。料理人の顔が、狙撃手の顔がさぁっと青ざめる。考古学者があらら、と小さくつぶやいた。


「かいぐんん!!!弁償しなさいい!!」


「ぎゃああ!!!」


雷が降り注ぎ、残りの海兵たちを容赦なく壊滅させる。三人はぱちぱち瞬きしながら見ることしかできなかったという。


――
お怒りナミさん。そんなナミさんもかわいい。

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