2015年兄さん誕1
□過剰な装飾
1ページ/1ページ
↓バルトちゃんのパラレル話です
ある日のバルトロメオの顔は上機嫌で大興奮していた。憧れていた麦わらの一味が、彼の船に遊びに来てくれるのだという。しかも、全員とのことだから、彼はなおさら嬉しかった。
「やったべェェ!!今日は人生最高の日になるべェェ!センパイたちがおでの船に遊びに来てくれるなんで!!おでまるで一味のなかまい……いやいやバルトロメオ!そんなのおこがましいべぇぇ!!」
そんなことを涙を流しながら呻いては、壁にだんだん拳をいれる。すると、
「おーい!にわとり頭ー!!きたぞー!」
「るぶぃぜんばいい!!」
船長の顔を一瞬見ただけで、涙を吹き出して壁にめり込んでしまう。船長はからからと笑った。
「おもしれぇなー!」
(身に余りすぎるくらいのお言葉だべー!!あんたこそさいこうだべー!!)
体を震わせながら、バルトロメオは船長に隠れてグッジョブサインをした。すると後ろから、
「おい、ルフィ。おれこいつ知らねぇけど、来てよか」
「ざんじぜんばいだべぇぇ!!」
「あぁ!?」
料理人を目にいれた瞬間、またバルトロメオは吹っ飛んだ。
(センパイ達のお腹を満足させる一流コックであると同時に!鉄をも砕く蹴りはゾロセンパイと並ぶ一味の双璧と言われてるんだべェェ!あああ、ルフィ先輩に並ぶ姿も神々しいべェ!)
喚きながら倒れるバルトロメオに船長は毎回あぁだと笑いながら説明していたが、料理人は呆れたようにもしくは心配したように言った。
「おいおい大丈夫か?腹でも減ってんのか?」
(あんたと同じ空気吸えるだけでお腹いっぱいだべー!)
「本当に大丈夫か、お前?さっきから倒れて」
「ぎゃあああ!チョッパーセンパイぃぃぃ!!!」
「お、おおお!?」
目の前に迫られてお互いぎょっとした。バルトロメオはそのままストレートにぶっ飛んでいく。
(怪我多いみなざんを支える名船医だべぇぇ。かわいいだけじゃなくてたくさん変身してかっごよくなるど聞いてるだども)
「せ、センパイなんて言われたって、嬉しくねぇぞコノヤロー」
(やっぱりかわいすぎるべぇぇ!!世界一かわいすぎる医者大賞受賞だべぇぇ!!)
船医のいつものくねくね躍りに、バルトロメオはバンバンと甲板を叩きながら涙を流している。
「あれ?ナミすわんとロビンちゃんは?」
「土産買ってくるってー」
「ゾロは迷ったからウソップとブルックが探しに行ってるぞ!フランキーは船いじってから行くって」
(あぁ、ゾロセンパイはやっぱり迷うんだべー!!そこがいいべー!土産ってそんなお気遣いなくだべー!フランキーセンパイの船大工っぷりも生でみたいべー!!この会話を近くで聞けるなんて夢みたいだべー!)
一味の会話を聞きながら、バルトロメオは幸せそうな顔になった。船長は、しししっとわらって、
「じゃあ、ニワトリっ!おれたちさきに上がるぞっ!!」
「邪魔するぞ」
「おじゃましますっ!」
「あば、ど、ど、どう、どうぞだべー!」
バルトロメオはさっと彼らを船に招き入れた。
――――
ちゅんちゅんと雀が鳴く音。目を覚ませば、船員達が彼を起こしていた。
「ボス、朝ごはんですよ!」
バルトロメオはぽかんとして船員をみやった。
「本当に夢だったべェェェェ!!!!!!!!」
「ちょっ、ボス、しっかり、ボス!」
今日はバルトロメオにとって、人生最悪の日になったようだ。
――
言葉への過剰な装飾。ロメオちゃんかわいすぎてたまらんですもう!!