2015年兄さん誕1
□手作りのアクセサリー
1ページ/1ページ
『手作りのアクセサリー』
「なんかいいもんねぇかなぁ、フランキー」
「あー、こういう掘り出し物市にはたいていいいもんがあるからなぁ」
狙撃手と船大工は路地を歩いていた。裏路地でフリーマーケットが行われていると聞いたためだ。裏路地、と聞くと大抵物騒なイメージしかない彼らだが、ここでやっているフリーマーケットはどうやら和やかなもので、子供から大人まで参加していた。
「ここのフリーマーケットは、みんな手作りのものです」
売り子の女性がニコニコ笑いながら品物を差す。あちこちに並んだ種類も売り手も違う品物。ほえーだかなんだか呻きながら、狙撃手と船大工は興味深そうにあちこち漁った。
「お、クッキー」
「わたしがつくったの!」
「おお、うめぇぞ嬢ちゃん」
最初に見つけた、少女の手作りブルーベリークッキーを片手でさくさくやっていると、
「うちのブリキのオモチャも見ていってくださいな」
「じいさんこれ造ったのか!?すげぇ、このロボット、ロケットパンチ出せるぞ!」
「なにぃ、見せろウソップ!!」
面白そうなブリキのオモチャを見つけて興奮する。あれがほしい、これも安いとあちこち買って回っていると、いつの間にか袋の中はいっぱい。ほくほくと満足した表情で帰ろうとすると、
「お」
「いらっしゃい」
最後に、キラキラ光るビーズやカラフルなひもが目に入る。ここは手作りアクセサリーの店らしい。白髪の老婆が顔を緩ませながら、店番がてら熱いお茶を飲んでいた。
「すげー。綺麗だなー。ナミとかロビンとか喜びそうだ」
「これ全部婆さんが作ったのか?」
「ええ。老後の趣味というやつです。でも、愛情はたっぷり」
「そりゃスーパー結構だ!」
「あら、ありがとう」
船大工の誉め言葉に笑いながら、老婆はまた茶を啜った。その間、どうやらここのアクセサリーを狙撃手は気に入ったようだ。あれをつまみ、これをつまみしている。
「缶バッジいいなぁ。全部安いし、買っちまおうかなー」
「お前は本当にしゃれてんな。野郎一じゃないの?服装に凝るの」
「いやいやサンジには負けるって。あいつネクタイ選ぶのに全色並べるんだぜー」
狙撃手はからから笑いながら、缶バッジをひょいひょい摘まむ。
「ルフィやゾロなんか、あんまりにも格好に無頓着だし、チョッパーも野生そのものだからなー。おれとサンジが結構服やらアクセサリーやら貸してやってんだ」
そう言えば、船長が見慣れない腕輪を着けていたり、剣士がスーツのような格好をしていたことがあったが、あれは借り物なのか。船大工は、なるほどと呻いた。
「なぁ、フランキーもお洒落詳しそうだから、サンジやナミやロビンの土産アクセサリー選んでくれよ!」
「アウ!まかせとけ!スーパーな品、選んでやらァ!!」
彼らの品物選びは、もう少しだけ続きそうだ。
―――
一緒に買い物したいなぁぁ!!