さよならサンクチュアリ

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原作沿いのようでそうでない
楽しかったり、暗かったり、幸せだったり、悲しんだりします

原作同様の設定+イレギュラー
パラレルワールド

※=いろいろと注意
ブラウザバック推奨


眠りから覚めて
時計は動きだす
視界の先に真っ白な雪
微かに響いた靴の音
きっと、わたしは泣いている
不鮮明な景色の中
タキシード姿のうさぎは云う
耳を塞げば届かない
ガラスの靴で走りだす
滑って、転んで、森の中
絶望は続く
差し出された猫の手は、
ほんの少し冷たくて
強く握ってみたのなら
それは熱を宿らせる
森を抜けると、
混沌とした世界
迷い込んだ姫君に
一方的で優しいキスを
毒りんごを渡した魔女は
涙をこぼして抱きしめる
吐息混じりに囁いて
愛と嫌悪と、少しの焦燥
小さくなったシンデレラへ
別れを告げて、また戻る
それでも時計は進んだまま
駆け抜けた先には
皇子様と騎士
二度目の出会いは、
穏やかなティータイム
何も知らないお姫様
それはとても滑稽なこと
混ざり合った絶望の音
お目覚めはいつですか?
聞こえた声が懐かしい
何度叫んでも
彼女は振り向かなかった
そこは迷宮でしかない
不幸を知らない不幸な少女
そして扉は開かれる
魔女は笑ってまた泣いた
城の中には秘密の箱
手を伸ばすなんて愚かだった
嘘つきアリスへ
愛を込めて、剣を向ける
殺して、キスして、甦る
手繰りよせた細い糸
記憶の片隅に君の声
毒は、時計
刻み続ける証
爪先に、唇
きっとこれは甘い夢
華やかな舞台に
鳴り響いた鐘の音
終焉の先に待った悲劇
目覚めた少女は、
幸せを知る

壊れた時計に優しく語りかける者など、居ない。





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