Reticent with me. -refrain-

□浮気疑惑勃発騒動
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元々精市君がモテるのは知ってるし、それを今更どうこう言うつもりはない。
っていうか、どうこう言える立場じゃないし

…分かってるけど。

やっぱり精市君がほかの子と親しそうに話しているのを見かけると、なんか胸がモヤモヤする。

「だから何度言ったら分かるの?」
「いや、でも・・・」

「自分の好きな人が他の女の子とイチャイチャしてたらそりゃあんたは嫉妬していいの」

そのまま美樹にデコピンをされた
美樹のデコピンは地味に痛いから嫌い。

「嫉妬・・・なんか嫌な女みたいじゃ・・・」
「あ゛ー・・・じゃあやきもちって言ったらかわいく聞こえる!?」

なぜかいらつかれて思いっきり右の頬をつねられた

「い、いたたた!」
「少しは学習しないと、幸村君もやきもちやかれたいなんて願望は夢のまた夢ね・・・」

え、今なんていった?

そう言いたかったけど頬をつねられたままで上手くいえなかった。



することもなかったから、放課後に部活に参加していると、
ドリンクの準備中に部室の中に精市君が入ってきた

何か忘れ物かと思って特に気にせずにいると、精市君が近づいてきた

顔を向けると、精市君はじっと私を見た後ちょっと首をかしげた

「琴音、ほっぺ赤くなってるけど何かあったの?」
「美樹につねられて・・・」

そう言いながら、無意識に頬を触っていると、
急にその手をとられて、精市君が近づいてくる

焦る暇もなく、赤くなっているであろう頬にキスを落とされた

ちゅ、とリップ音を立てて精市君の唇が離れて、至近距離で微笑まれる

「痛くない?」
「う、え・・・あ・・・」

反対側の頬をするりと撫でられて、いろんな意味で顔が赤くなる

ま、まさに絶体絶命!?

「・・・そんな顔してたら、襲うよ?」
「うぇ・・・?」

逃げようと思えば逃げられるのに、精市君の目で射抜かれたら、
自分の機能の主導権を全て精市君に奪われたみたいに、体が動かなくなる

まるでヘビににらまれたカエル状態だ。

・・・いや、精市君をヘビ呼ばわりは酷いかな?

「・・・琴音」
「はい・・・?」

「そんな顔、他の男に見せたりなんかしたら怒るからね」

そう言ってふわりと抱きしめられた

・・・あ、そういえば

ここで私が今の顔(?)を他の子に見せたら精市君は嫉妬する事・・・に、なるんだろうか?
分からないけど、多分そうだと思う。

・・・嫉妬

それは、愛するが故の行動なんだろうけど。
私には、まだ分からない
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