青の祓魔師

□(偽)燐
1ページ/1ページ

私、えりは正直戸惑っています
だってさっきまで屋根の上でくつろいでいたのにいつの間にか教室にいたんですから
戸惑わないほうがおかしいですって

「あら、えりじゃない」
『え、あ…うん』
出雲ちゃんか
うーん…無意識に教室来ちゃったのかな…
無意識って怖いね

『そうだ、燐はどこだろ?』
彼の姿は見つからない
『ね、出雲ちゃん』
「なに?」
『燐は何処にいるか知ってる?』
「……りん?」
『そ』
「誰それ」

彼のキャラというかインパクトはけして弱いとは言えないと思うけど
忘れちゃったのかな
みんなにも動揺を隠して燐自体のことを聞いたけどみんな知らないって答えた

私の動揺はピークに達して教室から出ていく

『…どこにいるの…?』

涙が溢れてくる
視界がかなりボヤだした時に見慣れた背中を見つける

涙を両手でふき
ぎこちない笑顔で
『燐!』
「あ?えり?」
『探したんだよ』
「…あぁそう」
『どうしたの?』
「いや?」

私の肩を掴んで壁に押し付けニヤッと笑う燐
いつもとは違う
こんな乱暴なことしないはずなのに

『……ッ』
「お前って無防備だよな」
『……』
「あれ、黙秘?」
『…貴方は燐じゃない』
「は?」
『燐は黙秘なんて言葉知らないはずだもん』
「勉強したんだよ」
『そんな勉強熱心だっけ?』

「えり…!えり!」
『どいて』
遠くから聞こえる燐の声
(偽)燐を睨むと舌打ちが聞こえ目の前が暗くなった

再び目を開けると
「ぅお、死んでなかった」
『生きてます』
「まぁよかった」
『燐、質問とかされたときに黙り込む事を漢字二文字で?』
「えっと…黙る」
『平仮名混ざってるし
正解は黙秘だよ』
「そう、それを言いたかった」
『あれは確実に悪魔だったな』
「悪魔?!どこだ?」
『んー、頭の中』


[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ