めいん

□ブレイク
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[あっ...]




練習後みんなと合宿所に戻っている時オレはあることに気付いた




[グローブ忘れた...]




自分の手にはいつものグローブがない


うっかり置き忘れてきてしまったらしい




[はぁ...]



仕方なくオレは取りに行くことにした




綱[んあっ,立向居どこ行くんだ]



突然反対方向に走っていくオレに驚いたのか綱海さんが声かける



立[忘れ物したんで取りに行ってきますっ]



オレはグラウンドへ向かってそのまま走った











[ええーと...グローブグローブ...]



オレはグラウンドのベンチあたりに目通す



でもグローブはない



[ここにしか置かないはずなのに...おかしいなぁ...]



オレはしばらくその場につったって考える



[ううーん...]



[そこで何してる]



[何ってグローブ探してるんですよ]



[グローブってこれじゃないのか]



[へっ...]




後ろ振り向くと監督がオレのグローブ持って立っていた




[うっ...うわあああああっ,監督いつの間にっ]



久[今来たとこだ,グラウンドに人影が見えたからな]



[えっ...ああ...すみません...]



久[それよりこれオマエのか]




監督は白いグローブ差し出す



それは確かにオレのグローブだった




[おっ...オレのですっっ,あっ...ありがとうございますっっ...]



久[グラウンド出る時に忘れ物に気付いたんでな,後で届けようと思っていたのだがちょうどよかったな]



[今度からは気つけますっ...すいませんでした]




オレはペコッとおじぎした




久[立向居]



[えっ...あっはいっっ]




突然監督に名前呼ばれたのでびっくりした



普段名前なんて呼ばない監督に呼ばれたもんだから余計びっくりした




久[なぜオマエ選んだのかわかるか]



[へっ...]



久[1つはオマエの力が必要だと思ったからだ]



[えっ...あの...]



久[もうひとつは...]





そう言ったところで監督はオレに近づいてきた



そしてオレの両頬に手つける





[あっ...あのぅ...かんと...]





そこでオレの言葉はきれた




なぜかと言うとしゃべれないからだ



何かに口ふさがれていて



何か柔らかい感触のものに




目の前には監督の顔




監督の顔が離れていくと同時にオレの口は何にもふさがれていない状況になった





それ見てオレは気づいた




オレは今




[もうひとつは...]




監督に




[オマエが好きだからだ]





キスされたのだと---






監督はそう言うと去っていった





[えっ...]




オレはその場にへにゃりと座り込んだ




[へっ...]




オレは合宿所へと歩いていく監督の後姿にただただ目向けていた











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