めいん

□ばんそうこう
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練習中,オレはある人に見とれていた


GKっていうのはシュートしてくれないと暇だから,オレはいつも誰かに見とれている


今日は謎が多い不動さん


最近チームに溶け込んできたよう...


だけどオレは今だにまだ不動さんと一言もしゃべったことがない


しゃべりたくないわけじゃないんだけど,やっぱりなんか恐い...


いい人なのかもしれないけど...




[立向居っっっ,前っ前っ]


[へっ...]



突然名前が呼ばれたのでびっくりして我に返ると目の前にはボールがあった





[痛っ...]


[大丈夫かっ立向居]



円堂さんが心配そうにこちらに走ってきた


みんなも心配したような顔でこちらに目向けていた


本当は膝がじんじんして痛かったけど,心配はかけたくなかったからオレはみんなに笑顔で,大丈夫です,と答えた


円堂さんはホッとした顔でオレの肩に手おいた



[気つけろよ]



円堂さんはそう言って走っていった



みんなが試合に集中し始めたこと確認してからオレは自分の膝に目向けた



[やっぱり血でてたか...]



さっきこけた時にすってしまったらしい


痛いけど,オレはGKだから抜けると迷惑がかかる...



[これくらい我慢できる]



オレは両ほっペ手でたたいた




気づけば,さっきオレが見てた不動さんはオレの真ん前にいた


DFとして後ろに下がってきたみたいだ...



しばらくジーッと不動さんの背中見ていた


不動さんってサッカー上手いよなー...


賢いし...


その賢さは鬼道さんと同じぐらいだ


---いや


それ以上かもしれない



そんなこと思いながらひき続き不動さんに見とれていると,不動さんがこちらに顔向けた



[.....っっ]



もしかして見ていたことがバレたのか...



オレは恐くてしばらく固まっていた




すると突然不動さんはこちらに向かって歩いてきた





どっ...どどどうしようっ...


絶対怒ってるよっ...





オレの真ん前まで歩いてくると不動さんは口開いた



[オマエ...バカだな...]



そう言うと不動さんはグラウンドから出ていった



[はっ...]



オレには何が何だか分からなかった



不動さんはマネージャーのところへ行ってからこちらに帰ってきた


そしてオレの目の前に立った



[本当は膝ケガしてんだろ,...無理しやがって]



そう言うと不動さんはオレにばんそうこうわたしてきた



[...っ,ばんそうこうわざわざ取りに行ってくれたんですかっ...]


オレはびっくりした


まさか不動さんが持ってきてくれるなんて...



[フンッ...]



不動さんはそそくさと行ってしまった



[.........]


オレはしばらく状況が理解できなくて固まっていた



[不動さんがおれに...ばんそうこう...]



不動さんの背中に目向けた


その後姿はとても優しく見えた



[不動さんっていい人なんだ...]




オレはしばらく不動さんの背中に見とれていた










ばんそうこう
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