めいん
□オレの弟
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[ただいま,戸田先輩っ]
世界大会が終わって帰って来た立向居はもうあの頃の立向居じゃなかった
なんて勇しくなったんだろうか----
あまりの変化にオレはぼ--ぜんとしてしまった
立[戸田先輩ってばっ]
戸[うあおおおおおおっ]
立向居に呼ばれてハッとした
戸[ごっ...ごめん,立向居]
立[戸田先輩らしいですね]
そう言ってニコッと笑う姿は昔のままだった
戸[いや---,しかし,背でかくなったんじゃないか]
立[戸田先輩こそ]
戸[さっきはマジでだれかと思った...]
立[オッ...オレのこと忘れてたんですかっ]
そんなわけないだろ.....
オレが立向居のこと忘れるはずがない
しばらく会えなかった日ずっと立向居のこと考えなかった日はない
元気だろうか----
泣いてないだろうか---
他の男とくっついたりしてないだろうか---
って,
さっ...最後の取り消しっっ
ていうか立向居に少しでも触れたやつ殺すっ
特に,あの綱海とかいうやつは確実に処刑行きだ
立[戸田先輩っっ]
戸[うあおおおおおおおおっっ]
またまた立向居に呼ばれてハッとする
立[何なんですかっ,オレの話なんか聞きたくないんですねっっ]
立向居はほっぺふくらませて,そっぽ向いた
戸[ああ...悪い...ちょっと考え事しててな..]
立[オレのことより大事なことなんですね-っ]
そう言って立向居は他のメンバ--の所へ行ってしまった
戸[やっちまったな...]
こういうことになるなら,ちゃんと話聞いとけばよかったな...
まあ,今さら後悔しても遅いけど...
あ--あ,
せっかく立向居に会えたのにな---
それにしても本当に大きくなったなぁ...
あのころの幼い立向居じゃない
顔つきもすごくよくなった
今の立向居は自信にあふれている
立向居の成長にうれしくないなんて思うはずなかった
初めは,緊張しすぎて全然しゃべらなかった
でも部活しているうちに自然と溶け込んでいた
そして円堂くんに憧れてGKになった
オレは立向居の面倒見てきたから全部知ってる
オレは立向居が自分の後輩でよかったと改めて思う
そして誇りに思う
こいつがこんなに成長して,世界一になったなんてな---
オレは立向居のこと弟のように思っていたし,弟のように接していた
そして今でも---
オレの自慢の弟だ
オレはメンバ---たちと楽しそうに話している立向居の所へと走った
さっき聞いてやれなかった話聞きに---
話聞いてやった後,
綱海に処刑の件についてじっくりと話してやろう---
オレの弟