立海大付属中学校放送部

□さあ、マネージャー業開始!!
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「はぁ…今日は教室までの道のりがいつも以上に長かったなぁ…。」



机に突っ伏しながら独り言を呟く。
うちの部員皆、元気過ぎる。

僕は朝からダッシュとか駄目…死にます。



「アンタの日ごろの行いが悪いからでしょ。」



のそり、と顔を上げると、用意を済ませたであろう彩美が立っていた。


その顔、黒いよー彩美

「もしもし、遥風?
星菜、今朝ので懲りてないらしくて…」

すみませんでした。
マジ止めて下さい、彩美さん




あろうことか、B組から遥風(黒属性)を呼び出そうとした。

マジで殺す気ですか!?


「あらら、残念。」


彩美の手から携帯を奪い、電源ボタンを連打する。

そんな僕を見てケラケラ笑う彩美。絶対楽しんでるだろ。



「おはよう。志波姫さん、小瀬木部長。」



ぶうぶう、と彩美と言い合いをしてると、彩美の横からにゅっ、と麗しい顔が出てきた。




「幸村君、おはよう。」

「ゆっきーおはよー!!」
「今日からいよいよだね。」


ゆっきーが彩美に話かけると、彩美はこくり、と頷いた。


そんな彩美の様子を見て、背後にお花を咲かせながらゆっきーがにやけている。



「ちょっ…僕は無視ですか!?」

「ふふふっ…やだなぁ、冗談だよ。」



そう言ってから僕に向かってすっ、と右手を差し出したゆっきー。


差し出された手をしっかり握り返しながらゆっきーの目を見て言った。


「僕達なりに頑張ってみせるからね!」



一瞬驚いた様な顔をしたゆっきーだったが、すぐに微笑して口を開いた。



「フフッ、期待してるよ。」

「立海大附属中学校放送部、舐めないでよ!!」


-一方B組では…‐


「はぁぁ…マジめんどい



陽咲が机に伏せながらだるいだるい、と繰り返す。



「そんな事言わなくてもいいじゃん!
つか、俺に対する嫌みかそれ!」


「当たり前だよ。ブタ!
後[じゃん!]とか言うな。キモイ。」

「ブタじゃねーしキモくないぜぃ!?強調すんなぁ!!」




幸か不幸か、席替えで隣になってしまった食いしん坊's。


どちらかが何か言えば、食って掛かってを繰り返すので口喧嘩が絶えない。


見てる分には面白いけれど、そろそろ飽きてきたわ。



とりあえず、軽く脅しとけばいいか、という結論に至ったので、早速口を開こうとした。



「円城寺、お前さん本当にマネージャーやるのか?」

「……。」



いきなり銀髪が目の前に現れた。
出鼻挫くんじゃないわよ、アンタ。




「円城寺?」


聞いとる?、と小首を傾げてきたので、一応睨んでおく。



「聞いてるわよ…、そうだけど。何よ?」

「そうか…んじゃ、遥風って呼ばして貰おうかのぉ。」



睨みに少々びびった顔から一変、にやり、と口元を上げた。



は?
ウチ、仲良くする気無いんだけど。」

「相変わらずつんけんした性格やのぉ。

まぁ、マネージャーやるなら、俺とも仲良くしときんしゃい。」


そう言いながら髪の毛に手を伸ばしてきたので、軽くはたいた。



「聞けば聞くほど訳わかんないんだけど。
心配しなくても、よろしくする気なんて無いから。」

「つれん奴じゃな〜。」


口を3の形にしてぶうぶう文句を言う宇宙人に何か腹がたった。


「ウチは幸村の毒牙から親友守る為にマネージャーやるんだから。」



邪魔したらどうなるか分かってるわよね?、と圧力をかけるとピヨッ、と鳴いて(?)そそくさと丸井の後ろに逃げていった。



ついでにそのまま丸井と陽咲を見やると、二人共顔を青くさせて静かになったので、とりあえずよしとした。
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