立海大付属中学校放送部

□さあ、マネージャー業開始!!
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今日から男子テニス部の仕事しなきゃいけないのか…あー、タルい。


おっと…お早う。陽咲だぜ。俺、低血圧だから朝は苦手なんだよなぁ。


つー事で今日も今日とて眠い・タルい・だるい…。



「おっ、やっぱ瀬名波じゃん!はよー!!」



一応目だけを動かして相手を確認すると、無駄にうるさい(物理的)クラスメートの姿があった。



「…、朝からうっせぇよデブン太。嫌がらせか。」



「なっ…何だよその反応!?つか、通常時とのテンションの差が激しすぎないか!?」



ぎゃんぎゃん騒ぐデブン太の声が頭に響く。


「うるさい黙れ。
てめぇに言われる筋合いねぇんだよ、ガム男。」



おちゃらける気力もなく、無表情で文句を言うと、デブン太の顔が真っ青になった。



「お前、マジで瀬名波なんか!?」


いきなり肩を捕まれ、激しく揺さぶられる。

「ちょっ、お前、離せボゲ!!」



取り敢えず離せ、とデブン太に言いながら引き剥がそうと行動を起こす。

もみくちゃになっててしんどい。



「ちょっとあんたたち、朝から道端でうるさいんだけど?」



その声に俺もデブン太も固まった。


「げっ…円城寺!?」


ぎぎぎ、と顔を引きつらせながら後ろを見ると、遥風が見事な仁王立ちで君臨していた。


「よ…よぅ、円城寺。」

「……、うぃーす。」



デブン太がびびりまくりながら遥風に声をかけたから俺も挨拶しとく。



そうすると遥風はため息を漏らして振り返った。


「彩美、陽咲の機嫌が相変わらず、すこぶるわるいわ。」
「朝の陽咲は低血圧だから大概反応が冷たいんだよ。」



遥風の背中からひょっこりと顔を覗かせて彩美が言った。


「志波姫!?」

「おはよう、陽咲に丸井。」


挨拶をしたかと思うと、さ、早く学校に行こう、とデブン太を俺から引き剥がした。



離れ際に、瀬名波の低血圧は怖えぇ、と言ったデブン太に膝かっくんしたのは言うまでもない。






ちょっとぉぉぉぉぉ!!僕を忘れないでよーっ!!!」



背後から手を振りながら誰かが走ってきた。


あー…朝から元気だな、あいつ。



「おはよう、変態部長

「ごきげんよう、変態星菜

「うーっす、変態星の女王

「うん、おはよう…って皆酷くね!?



酷い〜、と言いながらわざとらしく悲劇のヒロインの様によよよっ、と地面に座り込む星菜を無視して歩き出す。


彩美や遥風も同様に歩みを進め出す。




「なんつーか…放送部の面々って、すっげぇキャラ濃いな。」


デブン太がおいてきた星菜を見ながら呟く。



「何を今更。」


そんなデブン太をハッ、と鼻で笑いながら遥風が口を開く。



「まぁその辺、気にしたら負けだ負け」


俺の言葉に同調する様に彩美が頷きながら

「あんな部長の元に集まった人達だから。」

と言い笑った。



「ちょっ、おいていくなんてマジ酷いよ!?」


後ろから星菜の騒ぐ声が近づいてきた。



「おい、星菜が珍しく走ってきてるぞ。」




からかう様に俺が言うと彩美が逃げようか、と言って走り出した。


「賛成。」



同意を示したかと思うと、遥風も走り出した。


「結局こうなる訳ね…。」


戸惑うデブン太に、お前も早く逃げろ、と言ってから、遥風と彩美を追って地を蹴った。
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