Dream
□熱以上に
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数分後、名前がオレの部屋に戻ってきた。
手には湯気をたてる小ぶりの鍋状の皿。
そこからいい匂いがする。
「なに作ってくれたんだ?」
「ん?お粥」
「お粥か」
「嫌だった?」
「いや、名前が作ってくれたのなら、何でもいいよ。なんてな」
「……ばかっ」
そう言って乱暴に近くにある机の上に置く。
照れてるのがバレバレだよ。
「ほら、」
突然、名前がオレの目の前にレンゲに乗せたお粥を差し出してきた。
「………どうすればいいんだ?」
まあ、だいたい想像はできてるけど、とりあえず聞いておく。
名前は顔を赤らめ、目をそらしながら呟いた。
「あ、あーん、して////」
かわいい。どうしよう。
やはりここは意地悪してみるか。
「先に味見してくれ」
「さっき味見したよ」
「いいから」
名前はしぶしぶとレンゲに乗ったお粥を口の中に入れた。
と同時に、オレは名前の腕を引っ張った。
そしてオレは唇にキスをした。
「んぅっ!?////」
触れるだけのキスから、舌を絡めた深いキスへ。
「ん、…ふぁ……っ///」
「……はぁ………」
唇が離れる。
「ありがとう。うまかった」
そうやって言うと、名前は息を整えながらオレの方を見た。
「っ、ば、ばかっ!!////
何してんのよ!!/////」
「ん?お粥もらったんだよ」
頬を真っ赤な林檎のように紅潮させ、
わたわたし始める。
本当にかわいいな。
「いっ、一郎太のばか!!!/////」
「馬鹿でいいよ」
くすりと笑うと、熱くなったらしい頬を扇ぎ始める名前。
熱以上に
(触れたキミの頬は熱くて)
後日、オレがキスしたせいか名前は熱を出した。
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