短編

□赤いバスタブ
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 企画『不協和音』 様に提出したものです。
・モブイザです。
・年齢操作で臨也さんが15歳です。
・一応、中世ヨーロッパをイメージしたパロ設定ですが、かなりいい加減な設定です。
・中途半端なものですが、性行為の話です。
・虐待、人身売買、尿道攻めや名前の出てこないモブ達による性行為、の表現があります。また、人死にや殺人ほか、残酷な描写を少なからず含んでいます。
・これらに嫌悪を抱く方・お好きで無い方、また十八歳未満の方の閲覧は推奨できません。ブラウザバックを、お願いいたします。






ぴちょん、と音がする。
白いバスタブの中に、白い肌の女が居た。
女盛りであろう顔立ちと体つきに、まるで少女のような白くきめ細やかな肌。

だが、そんな美しい彼女の体を包むのは、透明な湯ではなかった。
間接照明に照らされ、僅かに黒い赤が、ゆらりとにぶく光る。
たゆたう赤。その赤の名前を思い浮かべる前に、そこに一人の女が連れられてきた。
一切の着物をはぎ取られたうら若き――まだ、少女というべき女性は、ひどく、ひどく怯えた顔をしていた。
燕尾服の男二人に腕を掴まれ、少女はバスタブに浸かる女の傍へと促される。
ただひたすらに怯える裸身の少女の引き攣った 頬に、同じく裸身の女がそっと指を伸ばす。
ひ、と漏れ出た少女の声に、女は安心させるように、優しく、優しく微笑んだ。
そして女は、その聖母のような優しく美しい表情のまま、そっと言う。

「―――早く、血を。」

ざく、と音がした。おそらく、少女の髪の毛が切れる音だろう。
その後に、べちゃ、と、肉のえぐれる音。
剣だけでなく、あらゆる格闘術の達人だという、女を守るために集められた燕尾服の男達でも、あんなに切れ味の鈍った剣では、そう綺麗に首を切断することはできないのだろう。
哀れな少女の首は、皮一枚で胴体と繋がっていた。
だが、それで少女が生きていられるはずもない。
ぴゅうぴゅうと噴き出す血を、そこにいる誰もが見つめた。
血に染まる、穢れ無き少女の身体。
そんな吐き気を催す光景を命じた女は、バスタブの中でその血を浴びていた。
恍惚とした 顔で、女は熱い息を吐く。

「…嗚呼。これでまた、わたくしの美しさは保たれる―――嬉しいでしょう?イザヤ。」

ぐるり、と女は首を傾けこちらを見る。
俺は、ただそれを見ていた。
黙っていれば女は不機嫌になると知っていたので、俺は口を開いた。

「……イエス、マダム。」

女はひどく上機嫌な 表情でこちらを見る。

「…いいえ。いいえ?そうではないでしょう、イザヤ。教えたでしょう。貴方は良い子よね。覚えているでしょう?」
「……はい、お姉様。僕も、嬉しいです。」
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