Due persone su che furono lacerate
□Due persone su che furono lacerate V
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「ん……」
「白?目覚めたのか?」
梓の心配そうな声に意識が浮上してくる。
「梓……?」
白が目をあけると梓はほっとしたような表情を見せた。
「俺・・・・・・」
「ショックで倒れたんだよ。覚えてるか?」
「……なんとなく」
未だにはっきりとしない顔で必死に思い出そうとしているが、ぼんやりとしか思い出せないようだった。
「気分はどうだ?」
心配そうに聞いてくる梓に白は、
「大丈夫、……隼人は?」
そう聞き返した。
「今は落ち着いてるって。でも、まだ油断はできないらしい。いつ状態が悪化してもおかしくないって」
「手術は成功したんだろ?なんでまだ危ないんだよ」
白は梓にそう聞くが、隼人の状態があまりにも酷い事が原因としか言いようがなかった。
「傷がかなり酷いんだ。手足も片方ずつ折れてるし…。それに、その両方とも複雑骨折なんだ。頭も強く打って血が溜まってたっていうし……。
あとどれくらいか解らないけど本当に安心できるまでは集中治療室に居なくちゃ駄目だって担当の先生が言ってたって叔母さんが……」
「そんな……」
手術室から出てきた隼人は今、集中治療室にいる。
少なくとも意識が戻るまではそこから出る事は出来ないだろう。
「叔母さんたちは今家に必要なものを取りに行ってるけど、白どうする?一度家に帰る?」
「居てもいいならもう少し居たい・・・」
「言うと思った。一応明先生には遅くなるって伝えてあるから大丈夫だよ」
「なんか・・・梓がしっかりしててむかつく」
「褒めろよ、そこは!!」
調子が戻って来たのか、白は拗ねたようにそう言った。
白の様子に梓も安心したのか、思わず突っ込んでしまう。
「そういえば・・・翔先輩は?」
「翔にぃは白が寝てるときに来てた。今はもう家に帰ってる。たくさんいたら病院にも迷惑がかかるからって。それに、ずっとここにいたら隼人が目を覚ました時に怒られるって」
「怒られる・・・?」
「俺とお前が騒いでてそれを止めるのが自分の今の役目なのに、自分まで騒いでどうするんだって怒ると思うって言ってた」
「隼人言いそうだもんな・・・」
目を覚ましてから白や梓、両親、翔と全員がいたら隼人はきっと呆れるだろう。
そのあたりはさすがと言うべきか、幼馴染の翔は分かっているようだった。
しかし、本心では気になっているため、毎日必ず顔を出すと言って帰って行った。
「翔先輩も心配なはずなのに・・・」
「翔にぃは相手の事を考えて何が一番最善の行動か考えて動くからなあ」
「翔先輩らしいけどね。ていうか、梓くらいだろ、頭よりも体の方が先に動くの」
「いや、白も十分だから」
「・・・」
怒ったときは白も梓と同じで先に体が動く。
と言っても梓限定でしか怒らないからあまり気にならないが。
梓がからかって白が怒って、翔が梓を注意して、隼人が白を宥める。
それが通常運転だ。
「それは梓が悪いんだからな」
「はいはい」
「絶対反省してないだろ・・・」
「してるって〜」
「嘘だ・・・」
楽しそうに笑う梓に白は溜め息を吐き、椅子に座りなおす。
その後隼人の様子を見ながらいろんな話をしていると、隼人の両親も戻ってきて、時間が気になった。
「そう言えば今何時?」
「えっと・・・げ、もう10時じゃん・・・」
「え、ホント?」
しばらく話をしていたのだが、気が付けばもう夜の10時。
さすがに時間も時間であるため、明日も学校がある梓と白は帰った方が良いだろうという事でその日は一度家に帰ることになった。
「じゃあ白、また明日な!」
「うん、送ってくれてありがと」
「良いって。隼人もしてるだろうし」
「だな。じゃあ明日」
「明日なあ!」
梓が見えなくなるのを確認して、家に入る。
その瞬間、明がドタドタと騒がしくしながら階段を下りてきた
「は〜く〜!!」
「うっさい、バカ兄貴!!」
「げふっ!」
まともに『お帰り』と言えないのだろうか、この兄弟は。
靴を脱いでいる白に明は「酷いよぉは〜く〜」とかなんとか言いながら泣きついてくるがすぐに真剣な顔になった。
「隼人くんの様子は?」
「まだ危険だけど一応手術は成功したから後は意識が戻るのを待つだけだって言ってた。意識が戻ったら普通の病室に移れるって」
「そうか・・・ご両親も大変だろうね」
「明日また話すから今日はもういいだろ?俺眠いんだ」
「ああ、疲れたんだね。夕食は良いのか?」
「向こうで食べてきた。オヤスミ」
「そうか、おやすみ」
話を切り上げ、白は部屋の中に入った。
そして鍵を掛ける。
そのままベッドに横になる。
そして、
「はやと・・・お願いだから・・・早く目を覚ましてよ・・・」
白の頬を涙が静かに流れ落ちた。
*続く*
次、進展有ります。
白ちゃん泣かないでえええええええ!!
(てめぇがやった事だ)
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