長編

□闇の狭間X
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目からの大量の出血。
日に日に増していく打撲の跡。
いったい何時間、いや、何日間この暴力行為を受けているのだろうか・・・。

いい加減、時間の感覚がなくなったいうのに暴力という名の拷問は続いている。
レインがコロナ王国に身体検査とする為に来てからどれくらい経ったのか分からなくなってしまった。

「ゲホッ・・・」
「ほら、どうしたよ王子様?父親に見捨てられてもう言葉も出ないか?」
「それ以前にこんな状態じゃ喋りたくても気力がないだろ」
「全くだな」

数時間おきに人は変わるが、何をされるかという内容は依然変わっていない。
ストレス発散という名目で兵士たちはレインを殴ったりしているが、おそらくコロナ国王に命じられているのだろう。
「死なない程度に好きにすればいい」と。
だからこそわざとひどい状態にしているのだ。

「もう少し抵抗してくれると楽しいんだけどなぁ。そうしたらもっといい感じにストレス発散出来るんだけどな」
「あー、分かるかも。って言っても、やり過ぎるとコロナ様に注意されるだろ?」
「っていうかコロナ様は参加しないのか?あの方が一番ストレス溜まってると思うんだけど」
「あの人はそれよりも・・・」
「私が何だ?」

兵士たちが話していると突然後ろから話しかけられる。
それはレインを閉じ込めたコロナ国王だった。

「こ、コロナ様!!」
「ご苦労だな。少し下がっていてくれ」
「は、はい!!」

先程まで散々レインに対して暴力を行っていた兵士たちが慌てて牢を出ていく。

「・・・さて、まだ意識があるようだな?レイン殿」
「・・・っ・・・ざけ・・」
「喋ることも可能、か」

今まで姿を現さなかったコロナ国王が出てきてレインの瞳に鋭さが戻った。

「ち・・・うえが、そ・・・なこと、ありえ、ない」
「私は事実を言ったまでだ。・・・それにしても本当に忘れているとはな」
「・・・」
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