短編・中編
□夏と言えば・・・?
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「夏と言えば!!」
「は?」
突然ノイズが部屋に入ってきて大声でそんな事を言う。
レインは当然何を言い出すんだと言いたいのか、眉間に皺を寄せながら一言、そう返した。
「だから、夏と言えば、何を連想する?って聞いてるの!」
「人の部屋に入ってきていきなりなんだ。・・・しかも、またノックもせずに入って来たな」
「そんな事、どうでも良いでしょ?いつもの事なんだし」
「お前は常識というものが無いのか」
ノイズは平然と近くの椅子に座りながら話を続ける。
「ねぇ、レインの中で夏の物って何?」
「そんな事を聞いてどうするんだ」
「別に〜。ただ聞きたいだけ。だって、レインってそういうのあまり言わないからさ」
「どうでも良いだろう、そんな事。第一、俺に聞いてお前には何か得があるのか?」
「ある!聞きたいだけ!」
「・・・それは無いっていうんだ、バカ」
呆れた様子でため息を吐き、椅子から立ち上がったレインは、手にしていた本を本棚に戻した。
「夏なんて大体の人間が海だなんだというだろう?」
「まあね。でも、レインなら違うんじゃないかなぁって思ってww」
「じゃあ、書類とでも言っておく」
「何で!?」
平然といつものような言葉に、ノイズがツッコミを入れてくる。
レインは、嫌そうな表情をしながら、もう一度椅子に座り説明する。
「この時期になると夏祭りや他国とのパーティーとかの書類で机が山積みになるからな。だからそう言ったんだ」
「うわー。それは最悪・・・」
「夏祭りの書類はまだマシだ。・・・パーティーに関しては全て断るが」
「なりません」
「・・・ゼクス」
突然入ってきたゼクスにレインはバツの悪そうに顔をしかめる。
「ノックをしても返事が返って来ないと思えば・・・何をおっしゃっているんですか」
「・・・嫌なものは嫌だとはっきり言っているだけだ」
「王子。今年は何が何でも行ってもらいますからね。国王様も一度でいいから行くようにとおっしゃっています」
「・・・父上を使うか、お前は」