短編・中編
□レイン君の日常B
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城を抜け出したレインが向かった先は森の奥にある広い草原だった。
幼い頃からよく隠れて来ている場所。
そこにはいつものように友人が先に来ていた。
「あ、レイン!」
「早かったな〜」
「お前たちも家の仕事は終わったのか?」
カインとスズ。これが二人の名前だ。
カインとスズはお互いの家が隣で、家族のように育って来ている。レインと出会ったのはたまたまで、レインが王子だと知っても全く態度を変えない、城下ではたった2人の友人だ。
「レインは仕事終わったのか?」
「終わっていなかったらここには居ない。途中から忙しくなったがな」
「相変わらず大変ね。この季節になるとお祭りとかあるし」
もうすぐ季節は完全に夏になる。それによって王族の仕事も多くなるのだ。
「俺は別に構わない。人が多い所はあまり好きじゃないからな」
「そうでした」
「静かな所が好きだからな、レインは」
呆れたように顔を見合わせるスズ達を横目に、レインは近くにあった岩に座ろうとした、その時、