短編・中編

□本当に王族なの?
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穏やかな昼下がり。

クロード王国の王子、レイン・クロードは自室で静かに本を読んでいた。

朝からやっていた書類整理もつい先程終わり、ゆっくりと好きな読書を楽しんでいるのだ。
先程まで側近であるゼクスがいたのだが、自分の仕事を終わらせる為に席を外していた。

本当に静かだと、この瞬間だけは思えるのだが、それが長くは続かないことはレイン自身分かっているので読めるだけ読んでおこうと思い、集中し始めたその時、

「レイーン!居る?てか、もちろん居るよね!」
ノックもせず、大きな音を立てて扉を開けたのはイヴレ帝国の王女、ノイズだった。

「レーイーン、遊びに来たよ!喜びなさい!」
「うるさい。俺はやっと仕事が終わったんだ。疲れているから帰れ」

邪魔だと言うようにレインが邪険に扱ってもノイズはしつこく話しかけてくる。

「だって暇なんだもん。何か文句ある?」
「あるに決まっているだろう、バカ」
「……」
間髪入れずに答えたレインにノイズは不本意だといった表情をする。

「暇ならあの変態に構ってもらえ。生憎だが、俺はお前の相手をする暇はない」

「ちょっとくらい良いじゃない!」
「昨日も同じ事を言っていたのは誰だ。おかげで昨日終わるはずだった仕事が今日までやるはめになったんだぞ」

恨めしげにノイズを見るレインに対してノイズは平然としている。
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