短編・中編
□レイン君の日常B
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「王子!!」
「…ぅゎ」
大声で呼ばれ、一瞬体を強ばらせる。
そして、声のした方を見るとそこには息を切らしながら立っているゼクスがいた。
「やはりこちらにいらっしゃいましたか!!」
「まだ1時間も経っていないぞ」
「さすがゼクスさん」
「早い…」
ゼクス→レイン→カイン→スズの順で会話が流れた。
「王子、勝手に居なくならないで下さいと何度も申し上げているではありませんか!!」
「危険はないと何度も言っているだろう」
「いつ攻撃を受けるか分からないというのにどうしてそう言い切れるのですか!?」
「勘だ」
「…」
王族が勘で動くなど聞いたことがないとでもいうかのような表情になる。
「レイン、帰ったほうがいいんじゃないか?」
「…」
「レイン様」
「ぅ…」
ゼクスが怒るときにしか使わない呼び方に、レインはため息を吐く。
「戻りましょう」
「…分かった」
諦めて立ち上がる。
「またな、レイン」
「またね」
「あぁ」
スズ達に見送られながら城に戻って行った…。
夜、やるべき事を全てやり終え、レインは本を読んでいた。
「王子、失礼します」
「あぁ」
ゼクスが部屋に入って来ると、レインは本を閉じた。
「今日もお疲れ様でした」
「いや、大した事はない。いつも通りだったからな」
ゼクスを見ながらそう言う。
「明日は完全にオフなのでゆっくりなさってくださいね」
「あぁ。そうする」
「くれぐれも、勝手に外に行かないで下さいね。出かけられるのならば、私も行きますので」
「分かった」
渋々頷くと、ゼクスはニッコリと笑った。
「では、おやすみなさい」
「あぁ。おやすみ」
ゼクスが出ていき、レインもベッドに横になり、電気を消した。
レイン君の一日は終わったのです…。
*FIN*