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□ただあい
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もう幾度となく体を重ねているのに、未だに慣れない。
バーナビーの腕に抱かれるたび早鐘のようになる心臓と羞恥に染まる顔を、自分は、うまくコントロールできないままだ。



いつものような流れ。
たわいもない話をしながら、バーナビーの家に向かう。
ご飯は変わりばんこに作りあっている。
今日はバーナビーの番だ。バニーは、なんでもできる。
料理だって、結構手が込んでそうなものでも簡単そうに作ってしまう。
俺は一人暮らしをはじめて五年以上たつが、
未だに簡単なものしかつくれないのに。
その間、俺がバスタブを洗ってお風呂を沸かす。
俺は風呂にゆっくりつかるのが好きだ。バーナビーは俺と付き合うまで、
湯につかるという習慣がまったくなかったため最初はけげんな顔をしたが、
最近は自分から入りたいというようになった。

ご飯をたべ風呂につかり、俺たちは当たり前のように同じベッドにもぐり込む。
二人は覚えたての子供のようだ。

どちらからともなく抱き合いキスをする。

初めは触れるようなキスを繰り返しているのに、
いつも気が付いたら唇すべてを食べられそうなキスに変わっている。
くちゅりと響く水音を聞くと、あっと言う間に体全体でバニーを感じたくなる。
年甲斐もなく恥ずかしい、と思うが、
欲しいのはお互い様みたいだ。顔をみたらわかる。

こんな事になるなんて、こんな風にお互いを必要とし合うなんて、
最初のころはまったく考えていなかった。
仕事仲間としてさえやっていけるか、
危うかった二人。



それが、恋人になり、
お互いを本能のまま貪りあって、甘えあっている。


体の至る所にキスをして、舌でなぞる。ひとつひとつすべてが気持ちいい。
互いの存在を余すところなく暴き合うような前戯に、二人の頭は甘く麻痺して、さらに激しい刺激を求める。




すべての仕草が、虎徹を翻弄するが、
バーナビーとつながる瞬間、いつも虎徹はもうどうしていいかわからなくなった。

たぶんまだ感動しているのだ。初めてした時と同じ感動の渦が自分をとりまく。こんなに色褪せない気持ちは初めてだ、と虎徹は思う。
好きすぎて、
好きすぎて辛い。胸が苦しい。
満たされた気持ちが瞳に自然と涙をわき起こさせる。









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