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□やっと
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*ホロウ軸っぽい捏造設定。
聖杯戦争が終わっても何故か限界し続けるサーヴァントたち。
何故か生きているそのマスター。
そして、ついに四次のサーヴァントたちも姿を現し始めた。
「ようセイバー!また酒を酌み交わそうではないか」
相変わらずな征服王や、
「ジャンヌゥゥゥゥゥ!我が麗しの聖処女よ!!」
相変わらずの変態など四次のサーヴァントたちが冬木に現れたのだ。
アサシンやバーサーカーも見かけたが――一人、足りない。
四次のサーヴァントが全員現れるのならば、あともう一人、居るはずなのだ。
私の好敵手。
また会って剣を交え、騎士について語り合いたいのに、彼だけは姿を現さなかった。
会いたい。
どうしてこんなに会いたいのに、彼は現れないのか。
「ジャンヌ、お迎えに上がりました」
「私は貴様に迎えられる覚えはない!」
「なんと!あ、どこに行かれるのですジャンヌゥゥゥ」
今日もキャスターから逃げ出して、近くの公園のベンチに座り込む。
「全く、人が出かける度に姿を現して・・・」
何なのだ、本当に・・・
どうして。
「現れてくれないのだディルムッド・・」
私が今望むのは、貴方と会うこと。
ただ、それだけなのに。
「ひどい顔だな、セイバー」
甘い、声がした。
「騎士王の名が泣くぞ」
はっと顔を上げればそこにあるのは、乙女を惑わす魔貌。
そして、大小二本の槍。
ああ、彼だ。
「俺の顔を忘れたなどとは言わせないぞ、セイバー」
「わ、忘れる訳ないでしょう・・・」
一時だって忘れたことはなかった。
一瞬だって、貴方のことを忘れたことはなかった。
「・・・セイバー、その顔は止めろ」
「だ、誰のせいだと」
貴方がなかなか現れないのが悪い。
そう言ってやると、彼は困ったように微笑んだ。
「そう言われてもな・・・」
「私は、ずっと貴方に会いたかったのに」
こんな弱い私は見せたくない。
なのに、今にも溢れそうなくらい涙が瞳にたまっている。
嫌だ、弱い私では彼に嫌われてしまう。
止めろ、止めろ、泣くな。
「セイバー」
「な、なんだ」
「俺もずっとお前に会いたかった。・・・アルトリアよ」
彼の唇から私の真名がこぼれたとき、胸が破裂しそうなほど痛くなって、でもたまらなく嬉しくて――
彼にぎゅっと抱き着いた。
やっと会えたね
この二人公式で好敵手じゃないですか。
もう結婚してしまえ。