ほんのり甘いお菓子
□青峰君を照れ屋なヘタレにしてみました。
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私の彼氏は、
「青峰君」
「あ?」
「キスしましょう」
「……………はぁ!?」
照れ屋なヘタレ彼氏なのです。
「だってですねぇ?私達付き合って何ヵ月?3ヶ月ですよ?それなのに手も繋がないし、キスもないし…セックスもないし……」
「お、お、女の子が…せ、せせ……セックス……なんて言わねぇの!!」
「はぁ…どれだけヘタレ…っていうか、ウブっていうか……」
私はため息をはき、また雑誌を読み始めた青峰君に近づく。
「っ!…ちかい」
「いつになったら、ちゅーしてくれるんですか?」
「う……いつかだよ」
「…今がいいです」
何のために、私の部屋に連れ込んだと思ってるんですか?
「単刀直入にいいます。
青峰君は、私とセックスしたくないんですか?」
「………」
「……私が魅力ないのも、分かってます。私なんかじゃ勃たないんですよね」
「勃……!?」
「だから、青峰君好みの女に調教して下さい」
「む、むむむむ……無理だ!!」
ズザァーッ!と、私と一気に距離をとる青峰君……。
「……じゃあ、調教は諦めます。その代わり今日は手を繋ぎましょう」
「……手…なら、まぁ…いや、手……」
「青峰君」
両手を広げて青峰君を呼ぶ。
「来てください」
「…ゔ」
照れながらも、ちょこちょこ近づいてくる青峰君は可愛い過ぎます。
ああ……セックスしたい。
いや、我慢です私。
いくら欲求不満でも、相手の意見も尊重するのが彼氏彼女ですよ。
青峰君は、顔に両手を当てて私の前に正座する。
「ぎゅってして、いいですか?」
頭を下に動かした様子は、肯定という意味ですよね。
「ゆっくりぎゅう、しますね?」
膝立ちになり、青峰君の首に腕をまわす。
「…ありがとう。嬉しい」
ここまで抵抗しなかった青峰に、金メダルです!
「じゃあ、顔を背けてていいですから…手を握りますね」
青峰君の正座した長い足に置かれている大きい手。
緊張してるのか、手に力が入りすぎてグーの拳が震えている。
「大丈夫」
そっ、と…青峰君の手に触れる。
「嫌じゃないですか?
嫌だったら手を振りほどいて下さいね」
青峰君の手を包み込むように触れて、10秒まつ。
9、
8、
7、
6、
5、
その時、青峰君の手がぴくっと動いた。
あーぁ。
ダメでしたか……。
しかし、
青峰君は手を緩めて、拳の人差し指から小指までの四本の指で私の親指を、きゅ…っと握った。
「…嫌なんかじゃねぇよ。本当は、もっと……紗奈に触れてぇんだよ…」
「今…名前で……!」
「…っ」
「っ…」
二人は正座で向かい合っている。
その顔………赤!!
……っ何か、話さなきゃ!
「…好きです」
バカああああああああああああああああああ!!!!
今この発言は、照れ屋なヘタレ青峰君には禁句だったあああああああああ!!!
「…ぉ……!!俺も好きだ……!!」
……………。
な ん で す と ?
「俺…頑張るから、嫌いになんかなるんじゃねぇぞ……」
そのまま、青峰君は私の肩に頭を乗せてきた。
嗚呼、私の鼻よ。
耐えておくれ。
青峰君は、頭を擦り付けるように甘えてくる。
……無理だった。
「…ん?紗奈……??
……って、鼻血いいい!?
紗奈ーーーー!!?!??
嗚呼、照れ屋ヘタレ………万歳!!
END