紅き魔王とお姫様

□3幕
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「赤司君お疲れさまっ」

「…ああ」

「これ、タオルですっ」

「ありがとう」

「あのっ今日一緒に帰ったりとか…!」

「………ストーカーの様に後ろからヒタヒタと着いてくるなら、初めから俺の隣にいろ」

「…!!はいっ」





「あの二人、何で付き合わないんスか…」

「黄瀬君、それ言ったらダメです」

「つかさー…俺は、赤司が折れてアイツに合わせてるだけに見えるぜ」

「そう言えば…赤司に聞いてみた事があるのだよ。羽柴をどう思ってるのか」

「どうだったんスか!?」

「人間。と答えたのだよ」

「…」


三人は思った。


ですよねー。









「各自、自主トレをするように……解散!」

「「「「ありがとうございましたーー!!」」」」

私は、赤司君が更衣室に向かう足を止めた。

「赤司君、これから報告書ですか?」

「ああ、遅くなると思う。やはり俺と帰らず桃井と帰った方がいいと思うんだが…」

「いえっ!赤司君と一緒にいたいです!」

「しかし…」

赤司は、珍しく考え込む。

「赤司君、報告書なら私がやるよ」

「桃井が?…しかし遅くなるぞ」

「大丈夫!青峰君と帰るから!ねっ大ちゃん?」

「うぉ!あぁ!?」

桃井は、丁度前を通った青峰を捕まえニコッと笑った。

「すまない。お言葉に甘えさせて貰うよ」

「いーえー!ほらほら大ちゃん行ーくーよー!!」

「俺を巻き込むなさつきっ!!」












「うー寒いっ」

「…」

赤司君はバスケしてたから暖かいよね。

「早く暖かくなんないかなー」

「…こうすれば」

「え?」

「暖かいだろう?」

赤司君は私の冷たい手をポケットの中にいれた。

「……本当に冷たいな」

「さっ!寒くてっ」

ぼぼぼぼっと顔が真っ赤になった私を見て赤司君はふむ…と呟いた。

「?」

赤司君はダッフルコートの前を開け始めた。

「赤司君寒いよ!?!!」

赤司君は、コートの前を全開にしてしまった。

「おいで」

「……………………………………………………………………………………へ?」

「………早くこい」

赤司君は少し拗ねた顔をして私に一歩近づいた。
そして、赤司君のコートに包まれるように私は抱き締められた。
二人もコートに入っている為、密着度が高い。
私は少し抵抗をするけど、赤司君が許さない。
腰に腕を回され、離れたぶんだけ引き寄せられる。
赤司君の体温を感じつつ、私はパニックに……………ならなかった。

「……暖かい」

「そっ、そだねっ」


い、良いのだろうか…。

赤司君の彼女でもないし…(赤司君に今彼女はいないけど…)
こんな事してもらっていいのかな……。
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