過去拍手
□アサリと聖職者Ver4
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ドM×綱吉 vs ドS
オレは今非常に困っている
目の前のあどけない顔をしている彼女はSなのだ、いやただのじゃないドSなんだ
売店に行っていて居ない獄寺くんと山本、だから二人きり
彼女は突然言ってきた
『チョコが欲しいんだったら土下座してね』
と語尾にハートが付きそうな勢いで
『はら、早くしないと二人が帰ってきちゃうよ?』
コテンと首を傾げる仕種は可愛いのだが言っていることがシュールである
やってることは可愛いのになぁ…
『ねぇ、要らない?』
彼女の手のなかには本命と書かれたハートのチョコ
いや、…うん欲しいよ?!欲しいに決まってるじゃん
ずっと片想いしてるんだ
俺は心を決め、土下座した
「欲しいです!」
『ふーん……で?』
「え?」
『ツナは誰の何が欲しいの?』
彼女は普通に聞いたんだろうけど俺にはいやらしく聞こえた
顔に熱が集まるのを感じた
『変なこと考えてるの?』
クスッと笑われて更に俺の顔は赤く染まる
何かに気が付いた彼女は楽しそうに言う
『ツナってドMだったんだね』
「え``………」
でも…でもでも彼女にこんなこと言われるのはすごく嬉しい
「俺って……ド…M…?」
『そうみたいだね!』
至極嬉しそうに言う彼女
『ほら、言ってよ?』
「え…あ、うん!『ちょっと待って』…?」
ニコリと笑った彼女にドキドキする
『土下座じゃなくて…私の上靴を舐めて、私のチョコが欲しいですっていうの』
彼女の上靴を舐める…普通なら汚いというだろう
だが、今の俺にとっては悦びでしかなくって…
「はい」
だなんて答えてしまう
立っている彼女の前に跪いて上靴に顔を近づける
ぺろりと少しためらったが彼女の上靴を舐めて上を向く
「あ、あなたの本命のチョコが…欲しいですっ…!」
彼女はニコと笑って答える
『合格だね…はい、どうぞっ』
と無理やり口の中にチョコを突っ込まれた
「んぐ……っ」
苦しい…でも嬉しいと感じる俺はもうどうしようもないドMなんだ
カチャリと扉が開いて俺たちは元に戻った
あの出来事は俺と彼女だけの秘密となった
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