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□非道い男は好きですか?
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「真野さんっ、お客様いらっしゃいましたよっ」
施術室で準備をしていると受付の人が呼びに来てくれた。
頑張ってくださいね、という受付の人にありがとう、といって入口に向かう。
さっき店長に聞いたところによると、ヤバいところの跡取り息子さんは天宮 龍といい、年は僕より1つ下だそうだ。
でも、年下だからといって油断はできない。
絶対粗相がないようにしなくちゃ。
そんなことを考えていると入口についた。
バクバク言う心臓を必死に抑えながら挨拶する。
「お、お待たせいたしました。
あ、天宮さまを担当させて頂くことになった、まま真野 伊織と申します。
よ、よろしくお願いします。」
お辞儀をし、顔をあげると顎を掴まれた。
「ふーん、お前が俺の担当?」
値踏みするようにジロジロ顔を見られる。
「あ、天宮様…?」
天宮はフンッと鼻を鳴らすとまあまあだな、と言って手を離した。
まあまあと言われたことにちょっとショックを受けたが、気を取り直して施術室に案内する。
「こちらの施術着にお着替えになって、台の上にうつ伏せになってお待ちください。」
「あぁ」
といい、天宮が
施術着を受け取る。
僕は無事、この仕事をやり遂げられるだろうか
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