+ 伊 達 主 従 +


□蜜時
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―――訳あって、伊達屋敷を訪れた幸村と佐助。







「あのお部屋でございます」





案内係に政宗の部屋を教えてもらう。



当の本人の迎えはなしで、幸村はともかく佐助は眉をしかめた。




一部の家臣以外、足を踏み入れる事を許可されていないという政宗の私室だが、今回に限り二人の入室は許されているらしい。



「……その一部の家臣って、片倉の旦那の事だろうけど」

「片倉殿も政宗殿と共におられるようだな」

「この時間に来いって言ったのはあっちなのにさ、迎えなしってどういう事なんだろうね」

「ま、まぁ、よいではないか佐助。政宗殿も片倉殿も、お忙しいのだろう」




ぶうぶうと不満をもらす佐助を幸村が窘めながら、政宗の部屋の前に辿り着く。




障子を叩こうとした瞬間、



―――カタンッ





「…ん?何か、物音が」

「中で二人が何かしてるんだろ?お忙しい身だからさ」



横で佐助が嫌味っぽくぼやく。



「………しかし、声などは聞こえぬが」



不信感を抱く幸村に、佐助は“ん?”となる。



「………静かだな。ほんとにいるのか?でも、物音がしたもんな」

「し、失礼いたす!政宗殿!片倉殿!」

「え…っコラ旦那!勝手にはマズいって…」





何を思ったのか、幸村がガラッと勢い良く障子を開ける。



耳を澄まし慎重になっていた佐助は、一瞬ヒヤッとした。





が、次の瞬間。



思わず目を疑い、茫然としてしまう光景を目のあたりにする。






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