夕凪に佇む。
□「暴走」
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敬愛する人が居る。
遥旬様。
俺にとってはただ、一人父親よりも敬愛して、尊敬している。
千代は
尊敬とか敬愛じゃ収まらない。
絶対的な存在、味方、揺るがない愛情がある。
俺がずっと捜していたのは、そんな千代を必要以上に嫌悪し、嫌がらせをする主犯。
やっと見つかった。
遥旬様が派手さを求めるなら俺がやるのに。
日番谷隊長や乱菊姉さんが言わなかった主犯。
檜佐木を疑ったが違うと確信したのは、母さんから聞いて。
なら、誰が?
それをずっと捜していた。だから、聞こえた言葉に一時停止した。思考回路までも。
────────────聴力
「そ、う…だったのか」
三番隊に居るせいかあまり八、十三なんて関わらない。
市丸隊長に腕を捕まれた。
「翡翠、まだ仕事中や」
「…隊長」
しばらくすると吉良副隊長が時間を知らせに入って来る。
帰りの支度をする隊士。母さんはもう居なかった。
「隊長、時間なんで帰ります」
「…はぁ……」
手を離され向かう。
「行くんゆーなら羽音チャンに言ってまうから」
聞こえたが構わなかった。
向かうは京楽春水の場所。
「アカンわ…入院の話し聞いてますます親子で血ぃ上らせて…」
────────────聴く
────────────遮断
「隊長?」
「あぁ、イヅルちょっと出かけるわ、これ、やっといてな」
「え?!隊長!?」
「二人ともまだ僕の部下だって解ってへんのやろか…」