オリジナル小説 長・中編

□君が生きてるということ
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病院はいつもの掛かり付けの病院で家の近くにあるので5程度で着いた。

急いで昴の居る処置室に入っていった。

そこには全身に包帯を巻かれていてまるで死んでいるかの様だった。

いや、もしかしたらすでに死んでいるのではないか。

まだ肝心なことを医者から聞いていなかった。

「昴はどうなんですか?」

「命に別状はありません。これから死に至る危険も無いでしょう。」

「それは良かった。」

昴は死ぬことはない。それを聞いて物凄くホッとした。

「ただ…」

医者は物凄く言いにくそうな顔で俺にこう言い放った。

「これから先、昴さんが目を覚ますことは無いでしょう。」


俺は医者が言っていることがよくわからなかった。

「どういう事ですか。死ぬことはないって言ったじゃないですか!」

処置をしてくれた、命を救ってくれた医者に胸ぐらを掴みかかって問いただしていた。

「確かに死ぬことはないです。でも今回の事故で脳に大きな障害を負いました。はっきり言って今心臓が動いてること自体が奇跡に近い。」

「そんな…」

つい何時間前までは俺と話していたんだよ。

何不自由なく過ごしていた。

なのに今目の前にいる昴は俺のことがわからないかもしれない。

そんな体になってしまったのだ。

「すみません、上ノ太子さんのお知り合いの方ですか?」

「はい。」

警察の人がそう言って処置室へ入ってきた。

「お話したいことがありますのでこちらへ。」

そう促されて俺は処置室を出た。




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