静臨

□意味不明
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お互い嫌い合っているというのに、こういう関係になっているのは何故だろう。
勿論、行為の最中ならば隙も出来るだろうし、殺す機会はあるだろうという思いが臨也にはもあった。
大腿の付け根にナイフを突き立てれば、いくら静雄でもダメージは受けるだろう。
まぁ、ナイフが刺さればの話だが。
しかし、実際の所は行為の最中にそんな余裕も無く、ただ意味も無く回数ばかりが増えて行っていた。

性の捌け口、等という理由付けさえも、言葉巧みな綺麗事に聞こえる。
互いの間にある物、それは憎悪に他ならない。
それを裏付ける様に、静雄の腹には先程付けられたナイフによる新しい傷があり、臨也の頬は赤く腫れ、口端も少し切れていた。
そして、結合部からも出血が続いている。



「ねぇ、いつも言ってるけど、もう少し解してからにしてくれないかな」
「煩ぇ、黙ってろ」
「そうは言っても俺だって痛いん…」
「るっせぇなぁっ」
「グハッ…」

臨也の話が終わるのを待たず、静雄は目の前の細い首に手を伸ばした。
ただでさえ首を絞められれば苦しいのに、怪力で知られる静雄の手に掛かっては、本気で死を予感してしまう。
一瞬息を止められ、臨也は堪らず呻き声を上げた。

「カハッ…ちょっと、酷いじゃない。シてる時くらい、優しくしてよ」
「んだよ、女みてーに扱って欲しいのか?」
「そういう訳じゃ…っ、ちょっ、待っ…ッ、くっ…んァッ…」

結合部より、グチュリ、と粘着質な音が漏れる。
既に埋め込まれているモノが内壁を擦り、臨也は堪らず声を上げた。

「変な声出すんじゃねーよ」
「煩いな、急に動くからでしょ」

臨也とて、喘ぎたく等無い。
以前、抑え切れないならばと演技も加えて派手に喘いでみた事があったが、「萎える」と殴られた。
臨也も喉が枯れてしまい、次の日は声が掠れて酷い目に合った。
その日以来、喘がされて堪るかと、いつも必死に耐えている。
しかし、臨也の弱い所を知った日からソコばかりを攻め、反応を愉しむ様になったのは静雄の方だ。
日頃の恨み、とでも言うのだろうか。

「ねぇ…っ、ソコ、ばっかっ…ヤダっつってんでしょっ、っ、クッ、んっ…ャ、ダ、って…アッ」

臨也の訴えに耳を貸す事無く、静雄は感部ばかりを突いて来る。
その度に臨也の躯はビクビクと震え、押し広げられている後孔もピクンと収縮を見せた。

「っ…手前、俺の食い千切る気かよ」
「ん…なの…知らないよっ…クッ…ふ、ぁ…も…ムリ…」

限界が近付いて来る。
しかし、流石に後ろだけではイケない。
静雄は扱いてくれそうにないので、仕方なく臨也は自分で下半身に手を伸ばした。
が。

「おい、勝手にイクんじゃねーよ」
「ちょっと、手離してよっ」

静雄は臨也の行動を許さず、扱いていた手を掴んでそれを阻止した。
その間も静雄は律動を止めず、臨也を追い立てる。
尚も込み上げて来る射精感に、臨也の視界は白んで行く。
気を抜くと、鼻に掛かった声が漏れてしまいそう。
それだけは避けようと、臨也は必死に声を抑える。

そんな臨也を見下ろし、静雄は優越に浸る。
今主導権を握っているのは、この自分なのだ。
いつも憎まれ口しか叩かないあの臨也が、自分の下で端正な顔を歪ませて喘いでいる。
これを、悦というのだろうか。

「シズ…ちゃん、も…イカせ…」
「クソが、そんなにイキたきゃイカせてやるよ」
「ッ、クッ…ヒッ、ァッ、ンッ…ッーアァッ」

静雄の律動が激しくなり、臨也の躯は悲鳴を上げる。
未だ出血は続いていたが、今感じているのは痛みなのか悦楽なのか、最早自分でも解らなくなっていた。
そして、先走りで濡れた自身を荒く扱かれ、臨也は堪らずに背を撓らせて白濁を吐き出した。
そして無意識のうちに後孔が締まり、静雄も耐え切れずに中に精を放った。



「ねぇ…いつも中に出さないでって言ってるでしょ?」
「んな事言ったって…無理だろ」

後処理が大変なのに、とブツブツ文句を言う臨也を尻目に、静雄は知らん顔で煙草を吹かす。

「あー、あれか、理性を抑え切れなくなる位、俺の躯がイイんだ?」
「ゴホッ…手前、何馬鹿な事言ってやがんだ」

煙を変に吸い込んだのか、静雄がゲホゲホと咳込む。
そんな静雄を見て、臨也はケラケラと笑った。

「そう言えばさ、何でシズちゃんは俺の事を抱くの?嫌いなんでしょう?」

顔を合わせる事すら嫌なのならば、触る等以っての外、と思うのが普通だろうに。

「あぁ…そりゃあアレだ、嫌いだからだ」
「………ふーん」

一応相槌は打ったものの、意味が解らない。
嫌いだから抱く?
嫌いな相手だから、組み敷いて一時だけでも自分の支配下に置きたい、と?

「じゃあ何で手前は俺に抱かれるんだ?」
「んー………」

勿論、殺す機会を窺って、だ。
という事は、やはり嫌いだから、で良いのか。

「…さぁ、解んない」




end.

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